カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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飲みやすいワイン、大歓迎♪

アメリカでは、「飲み安いワイン」という言葉が誤用されている!
と常々語るブレイク。ついに火を噴きました(笑)。
こちらは先日、LAタイム紙に載った、彼の記事の訳です。



ちょっと前までは「飲み安いワイン」は、賞賛の言葉でした。
でも、最近アメリカで“Easy to Drink”は、否定的な意味で使われています。

ワインショップでは、宣伝用のPOPにこの言葉を書きませんし、
レストランでワインを勧める時の、ソムリエも、しかり。
どうも「飲みやすいワイン」という表現は、「洗練されていないワイン」と
勘違いされてしまっているようなのです。

では、本当の意味で「飲み安いワイン」とは、いったいどんなワインなのでしょう?

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「飲み安い」は、ワインの味を表した言葉ではありません。
もっと感覚的なものです。

バランスが取れているので、騒がしくないし、味覚を疲れさせない。
アルコール感、酸味、甘味といった要素が、調和していて、滑らかな味わい。
赤ワインであるならば、タンニンも、とてもスムース。
なので、飲み安い。

このワインのどこが、否定的に聞こえます?
飲み安い=単純で安価、ではないのです。

「飲み安いワイン」には、安く手に入るものから、
それこそ1本$500もするボルドーの高級品までが、含まれています。
世界でトップクラスの、奥が深く、複雑な味わいをもつ魅力的なワインは、
まさにこのカテゴリーに当てはまります。
だって、本当の意味で素晴らしいワインは、そのピーク時に
「飲みにくい」はずがありませんから。

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スペインにあるリオハのレゼルヴァと、グラン・レゼルヴァは、とても良い例です。
レゼルヴァは3年、グラン・レゼルヴァは5年間以上、法律による規制で、
円熟するまで市場に出されることはありません。

20年前、これらのワインは、フランスやカリフォルニアの最高のワインと共に、
大いに称賛されたものです。
その最大の理由は、飲み安さでした。

しかし今日、市場は、このワインの持つ奥の深さ、優雅さ、上品さというものを介さず、
これらのワインが最高値で売られることはありません。

みなさん、今が狙い目です。
2004 Viña Real Rioja Reserva や2001 Viña Tondonia Rioja Reservaといった面々を
飲んでみてください。(ワイナリーで熟成されたので、最近のリリースです)
カルト狙いならば、 2004 Roda Rioja Reservaもお勧めです。
これらのワインは、料理がしっかり味わえるので、食事のお共にも、最高です。

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残念なことに、市場の流れには逆らえません。
今やリオハで最高の値を付けるのは、"Alta Expresión"と呼ばれる、
若いうちにリリースされ、アルコール度が高く、風味の強いワインです。

または、メルローを見てください。
かつての人気者ワイン。人々に好まれたそもそもの理由は、
カベルネよりも繊細で、飲み安かったからです。
でも、最高級のメルロー作り手たちは、現在、
飲み安いという言葉を使うことに、尻込みをしています。

白ワインだって同じ。
オフィシャル・テイスティング・ノートに書かれているのは、
簡潔な分かりやすさとは対局の、長々とした小難しい説明文です。

「飲み安いワインを飲むことは、マッチョ(男らしいこと)でないと感じるアメリカ人が多い」と
評するのは、ワインの輸入業者、カーミット・リンチ氏。

また、主たる問題は、ワインが評される過程にあります。
批評家が一度にテイスティングするのは、50以上のワイン。
それも各々1,2口しか、味見しません。
ボールド(Bold)、強烈な味のワインが、この形式で高得点を得るのは当たりまえ。
いわゆる「飲み安い」ワインは、批評家の注意を、即座には惹かないのです。

僕が“空き瓶テスト”と呼んでいる方法が、評価方法ならば、
もう喜んで、この食事付きテストに参加したいと思います。
食事とともに飲んだ場合、大抵、飲み安いワインは、空瓶になります。
片や、ボトルに残るのは、高得点を得たワイン達…。
この事実には、皆さん驚くと思います。

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ワイン・スペクテーター誌のエグゼクティブ・エディター、
トーマス・マシュー氏によると、「飲み安いワイン」とは、
バランスがとれて、あらゆる要素が調和したワイン。

彼らが、若いワインに付ける得点は、それがピークに達した時の可能性を
評価して付けられているとの事。
まだ飲みにくいカベルネに98点がついていたら、それは、
何年か後には「飲み安い」ワインに成長しているだろう…との
予測を踏まえた上での点数。

しかしながら、レビューに載っている、いかにも飲みにくそうな評価を読んだら、
こういった難しさが高得点を取る要素なんだな…と誤解してしまうのは、
簡単ですよね。
一方で「飲み安い」という評価は、安いワインにだけ使われている…と
思われてしまう訳でもあります。


皆さん、「飲み安い」という評価を、今こそ見直す時です。
噛み切れないほど固いステーキや、難解な映画を、称賛しないでしょう?

ソムリエにお勧めを聞く時に、「飲み安いワインは?」と、聞くのを恐れないで。
そして、ブロガー諸君、ご自分のセラーを自慢するときに、
「飲み安い」は、呪いの言葉ではなく、称賛の言葉としてください。

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以上、ブレイクの記事の訳でした。オリジナルはこちらをどうそ♪
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by sfwinediary | 2009-08-13 07:25 | ワインなお話