カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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衝撃の映画Food, Inc. フード・インク

エンゲル係数=家計の消費支出に占める飲食費のパーセント。
我が家では、この係数がめちゃ高い。
外食が多いし、食品も無農薬で自然の味がして、少しでも健康にいいものを…
と思うと、すぐに$$$が飛んでいく。

ちなみに、日本の平均は25.4%、アメリカ19.3%。(世界の統計2008より)

食費を見直すべきかしら?と思った矢先、“選択肢があるならば、
健康に良い食品、環境に優しい食品を選ばなければいけないのだ。
そのためには、正当な値段を支払うのは必要なこと”と、
再認識させてくれたのが、映画 FOOD, INC.


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Food, Inc.のHP

『ファーストフード・ネイション』の著者、エリック・スクロッサー氏の
制作による、とてもインパクトの強い映画。

見るに堪えなくなったのか、途中で席を立ったカップルもいました。
これを見て、席を立つ人は、日ごろの食生活を見直す勇気のない人。

賢い消費者になるために、目をつぶっていてはならない問題を、
次から次へと、これでもか~というぐらい、提示してくれる映画です。

ここから先は、内容について、ガンガン触れております。
映画を観る前に、先入観はほしくない、ネタばれ御免だという方は、
後ほどお読みいただけましたら幸いです☆


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まず驚きなのは、巨大企業による牛肉市場の独占。

アメリカの牛肉市場の、殆どを牛耳るのは、たったの5社。
原価の安さ(利益)のみを追求する彼らは、劣悪な環境に、牛をひとまとめにして、
本来ならば草食の牛に、粉末状コーンを餌として与えます。
何千、何万頭もの牛が、狭い柵に囲まれ、汚れた体で運動もままならない状態で
育成され、精肉されるのを待っている姿は、思わず目を反らしたくなる事実。

チキンも同じ。巨大企業のエゴイズムが描かれています。

養鶏所の施設をつくるのに、かかるお金は、日本円で約5,000万円。
光のささない、真っ暗な場所に閉じ込め、ひたすらエサを与え続ける結果、
胸肉の大きい、肥満チキンが出来上がります。

運動する場所もなく、自身の体重を支えきれず、数歩も歩けない鶏たち。
病気に対抗するために、次から次へと抗生物質を与え続けられ、
それでも尚死んでしまう鶏は、養鶏所の裏庭に埋められます。
こんな環境で育てられる鶏も災難ですが、育てる側の人間も大変。

鶏のために、窓を開け、生育環境を良くしようとした農家は、
巨大企業の提示したマニュアルから外れたという理由で、
契約を打ち切られてしまいます。
彼らに残ったのは、企業の指導した養鶏方法で得た病気と、債務のみ。

どんなに苦労しても、養鶏によって得られる1年の収入は、200万円弱。
しかも巨大企業は、養鶏農家に、次から次へと養鶏所の改築を要求します。
彼らをローンで縛って、自分たちの思い通りにするためです。
残念ながら、他に生活の道を見出せない養鶏農家は、
そのまま過酷な生活を続けるしかないのです。

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アメリカのコーンの安さは世界でも特出していて、その安さから、
メキシコにも輸出しているのをご存知でしたか?

輸入コーンの影響で働き場を失った人々などを、
メキシコでリクルートするのは、大会社Smithfield Food。
アメリカにつれてこられた彼らは、英語もできず、他にスキルもないことから、
牛肉解体所で、来る日も来る日も長時間、梁からつるされた牛肉の塊を、
鋭い大型ナイフを使って解体するしか、生活の方法がありません。

腹が立つのは、大豆会社も同じ。
Monsanto社では、農薬に強い独自の大豆を開発し、農家に販売。
契約を結んでいない(会社に使用料を払わない)農家が、彼らの種を使わないように、
鵜(う)の目鷹(たか)の目で見張っています。

ここまでは、まぁ高い研究費を払ったのだから、契約金を払わない農家に
使わせないのは納得。
でも、恐ろしいと思ったのは、この後。

風で種が飛んでしまうことだってあります。
Monsanto社の大豆が、自分の畑に発芽していることが発覚するとお金を取られるので、
社と契約していない農家では、この大豆を処理してくれるよう、
ある初老の農民に伐採を依頼していたのですが、
Monsanto社では、会社に害をもたらしたと、老人を裁判所に訴えます。

勝つことが目的ではなく、この初老の老人を破産させることにより、
他の農家への見せしめの、スケープゴートとしたのです。

巨大企業と、吹けば飛ぶような一介の老人、勝敗は明らかでした。
弁護士代の為に、今までの蓄えをすべて失った彼は、
この先どうやって残りの人生を、生きていけばいいのでしょうか。

USDAやFDAといった政府の要職につくのは、これら大企業の元幹部たち。
これらの巨大会社は、アメリカだけでなく、今や世界中にその手を伸ばしています。
多くの食料を外国からの輸入に頼る日本も、他人事のままではいられません。

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こう書くと、救いが無い様に感じますが、
すこしでも安全な食品を届けたいという信念に基づき、USDAやFDAと戦いながら、
昔ながらの方法で牛や鶏を育てている、独立農家が存在します。

映画の中の一条の光。
上の写真の彼です。

大切なのは、消費者が何を選ぶか。
消費者の需要が大きくなれば、彼のような農家に、ますます活躍の場が広がります。

牛肉を買うならば、“草で飼育”と書かれた、牧場で伸び伸びと育ったものを、
チキンを買うならば、ケージ・フリーで、薬漬けになっていないものを選びましょう。
これらの食品は、大会社の提供するものよりも、価格が高くなっています。
しかし、これは安全な食品にかかるべき正当な値段。
大企業の売る、コストを削った食品は、安価な分、どこかにしわ寄せがあるのです。

野菜を買うならば、季節毎に自然に出来るものを選べば、安全で、そのうえ美味。
ローカルなファーマーズマーケットで、旬の野菜を買いましょう。
できれば無農薬が、いいですよね。

「チェンジの鍵は、消費者がにぎっているのですよ!」と、鋭く訴える映画でした☆
ぜひ、大勢の方に見ていただきたい映画です。

くれぐれも、食品のラベルを熟読しましょう☆
おばあちゃんの時代に見られなかった食品は、手に取らない方が無難かもしれません★


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by sfwinediary | 2009-08-17 09:48 | 映画