映画ジュリー&ジュリア
2009年 09月 03日
迷わず選んだのは、料理の映画、『Julie & Julia (ジュリー&ジュリア)』。
ジュリア・チャイルドは、今から50年ほど前、
初めての“アメリカ人の為のフランス料理本”を出版。
TVの料理番組に登場するなどして、アメリカの食文化に
大いなる改革をもたらした、料理研究家。
先駆者的存在の女性。
一方、現代に生きる平凡なOLジュリーは、ある日、
ジュリアの本に載っている524個のレシピを再現することを決意、
その様子を随時ブログで紹介して、一躍人気者になったブロガー。
一冊のレシピ本を中心軸に、二人の女性の生き方が、
交互にスクリーンに映し出されます。
前評判の通り、メリル・ストリープの演技は圧巻。
背が高く、甲高い声で独特の喋り方をするジュリア・チャイルドを見事に演じ、
魅力的なキャラをつくり上げたのは、素晴らしい、の一言。
一方、原作者であるジュリーを演じたのは、
映画『Enchanted (魔法にかけられて)』で、めちゃ可愛かったエイミー・アダムス。
ジュリー・パウエルのビッチーぶりを、体当たりで再現してくれたものの、
メリル・ストリープの前では、霞んでしまったのは否めませんでした。
この映画が封切される大分前に、ジュリー・パウエルなる人物像を、
業界筋の風の噂に聞いていました。
そもそも彼女はブロガー。
でも、あちこちの雑誌などに登場するようになってから、自分は「ライター」であり、
「ブロガー」であったという前身を否定するようなコメントをしているとか。
映画の中で、ジュリア・チャイルドは、いつも明るくて前向きな性格。
料理本を世に出すまで10年以上の歳月がかかったものの、
あきらめず、努力を重ねる姿は、人々の共感を呼びます。
反対に、ジュリー・パウエルは、いつも不平ばかり並べて、自己中心的。
映画の原作者ではありますし、現代に生きているので、
本来ならば、観客の共感を呼ぶべき存在となるはず…なのですが。
話が進むうちに、ジュリア・チャイルドの部分だけで
映画を作った方がよかったかも…と思われた方、多いのでは?
ジュリーが、この先、業界で生き残っていくためには、
自身で編み出したレシピ本を出すか、皆をうならせるコラムを発表するか…。
いずれにしろ、アメリカの食の世界で、プロとして活躍するためには、
他人からの借り物でない、“自分で生み出す何か”が必要なことは確かなようです。
料理の映画なので、終わった後、美味しい料理が食べたくなるかな?
と思っていたけれど、二人の生き様に焦点が当っていたので、
レストランに駆け込んで、バターたっぷりのフレンチを…という気は、
起きませんでした☆
『タンポポ』や『ビッグ・ナイト』を観ると、
終わった途端に、ラーメンやイタリア料理が食べたくなりますよね♪
興味がある方は、ぜひメリル・ストリープを観にお出かけ下さい☆
映画『ディストリクト9(District 9)』
結局、後日観に行くことになった、エイリアン映画の話を、ちょっとだけ☆
20年前、南アフリカの上空で動かなくなってしまった宇宙船。
ヨハネスブルグに設営されたのは、エイリアンの難民キャンプ、「ディストリクト9」。
しかし、宇宙人との共存は、儚(はかな)い夢でしかなかった。
もはや厄介者となり果てたエイリアンを、遠隔地に強制移動させるべく
民間会社MNU (Multi‐National United) が駆り出される。
ところが、立ち退き責任者に抜擢されたWikus van der Merweが、
難民キャンプで、或る液体を浴びてしまったことから、
話は意外な方向へ…。
『ロード・オブ・ザ・リングス』のピーター・ジャクソン氏がプロデューサー。
南アフリカ出身、カナダで活躍中の、二ール・ブロムカンプ監督の映画。
ハリウッド映画を見慣れた目には、とても新鮮に映る物語展開。
(アラはいっぱいありますが☆)
手持ちカメラが苦手な私は、映画が始まってすぐ、前方中央席から、
はるかかなた後方へ移動したのですが、それでもクラクラめまいが…。
『クローバーフィールド』よりは、固定カメラが多用されて、マシなものの、
それでも、酔いやすい人は、ご注意を★
Si-Fi大好きの友人は、大絶賛でした。
アパルトヘイトを背景に持つ、南アフリカの実世界の風刺ととれば、奥が深そうです。
でも、酔ってしまった私には、なんだかなぁ…な映画でした。