カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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若者が変える、米国のワイン市場

先週末に、ゴールデン・ゲート・パークで行われた音楽イベント、
Outside Land (アウトサイド・ランド) 。

若者をターゲットにしたこのイベントの売りは、
ワインとグルメ屋台の、ラインアップの強さ。
取材したブレイクによると、参加したのは職人技に優れたワイナリーの面々、
そして他ではあまり見かけない葡萄品種が取り揃えられていたそうです。

以下訳してみたのは、アメリカの若い消費者層とワインの関係です☆


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その動きがとても緩慢なので、世界の変化に気づかない事もある。
10年前によく目にした記事は、若い消費者層へのアピールの方法がわからず
ワイナリーが困っている、というものだった。

先週末開かれた、Outside Land という音楽イベントでは、
参加した食とワインの関係者の顔ぶれは、なかなかのセレクションだった。

もしもこれがベビー・ブーム層をねらった行事だったら、
ホワイト・ジンファンデルと、シャルドネが山と積れていた事だろう。
でも20代をターゲットとしたイベントでは、そうはいかない。
彼らは、なかなかのワイン知識を持ち合わせているし、
一味違った、面白いテイスティングの機会を探しているからだ。

ワインに関して言えば、現在の若い世代層は、これまでのアメリカの歴史上、
一番スマートな消費者層と言える。
今や世界で一番のワイン消費大国となったアメリカの未来は、
彼らによって希望が持てるものと思える。

ちょっと想像してみてほしい、経済が回復して、若者達に余裕が出たら、
彼らがどんなワインを飲むだろうかと。
僕が思うに、その時こそ、これまでの因習の殻を打ち破り、
真摯な姿勢で偉大でユニークなワイン造りに励んでいる人々の努力が、
報われるに違いない。

本題に戻ろう。どうして、こんな現象が現れたのだろうか?
若い層は、決してアプローチし易いとは言い難いグループで、
新聞業界などは、如何に彼らのハートを掴むか、未だに暗中模索状態だ。

ここに僕の見解を挙げてみよう。

1.気取りを取り払った事
年配層にとって、ワインに対する知識不足をさらけ出すのは、恥ずべき事だった。
しかしアメリカのワイナリーでは、これまで常に一貫して、
“独自のテイストを持つ事は良い事なんですよ”と謳ってきた。

片やフランスを見てほしい。
君がもしも、ムヌトゥ・サロン(Menetou-Salon)を正確に発音できなかったり、
コンドリュー(Condrieu)地方で採れる葡萄の品種を知らなかったりしたら、
鼻先でせせら笑うようなソムリエが、未だに幅をきかせている。
そんな環境では、フランスの若者のワイン離れも、うなづけるというもの。
フランスのワイン業界は、これに関して米国から学べる点があると思う。

2.全国津々浦々でテイスティング・イベントを開催
アメリカのワインメーカー達は、全国を飛び回って、ワインの振興に努めてきた。
大変な事だったろうけれど、彼らの努力が実ったと言える。

かつての中西部の街では、マークアップ価格が高すぎながらも、
何とか飲める銘柄のワインを置いてあるレストランが、
一軒でも見つかればラッキーと言えた。
それが今や、殆どの中都市で、それなりのワインリストが置いてある店が見つかる。
これは一重に、ワインメーカーやブランド大使達が旅を重ね、
情熱を傾けてきた結果だろう。

3.ウエッブサイトの充実
僕がワインについて書き始めたころ、ワイナリーのHPで
事実関連の確認をするなんて、到底、望めない芸当だった。
何故なら、往々にしてオーナーの10代の息子が作成したもので、
何カ月も更新されないような古い情報しか載っていなかったからね。

それが、今日では、多くのワイナリーのHPで、
特定のヴィンテージの収穫情報が、即座に手に入れられるようになった。
これはあらゆる業界で共通しているのだろうけれど、
ほんの5年前に比べたって、素晴らしい進歩と言える。

4.ソーシャル・メディアの支援
店舗を構えた従来型企業ほどでは無いにしても、
未だにワイナリーはソーシャル・メディアに惑わされていると言わざるを得ない。
しかしそれも、トゥイッターやフェースブックのファンページなどの登場によって、
飛躍的に前進した。

トゥイッターでワイン販売が伸びたとの確認情報は無いけれど、
でもね、ワインがごく自然に生活の一部として語られる…
素晴らしい事じゃありませんか。

5.若いソムリエの台頭
熱心な若いソムリエ達が、同じ世代のアメリカ人達に
もたらした影響は、計り知れないほど大きい。

また、ヴィンヤード訪問の機会や、垂直テイスティングの機会、等々、
昔だったら、上得意の顧客にしか開かれていなかった門戸を、
ここ10年ほど、ワイナリーが率先して、初心者にも広く開いてきたのは、
素晴らしい事と言える。

6.ラベルの簡素化
若い世代は、年配層よりも、シンプルなラベルを必要とするか?
答えは「否」だ。
ベビー・ブーマーの方が逆に、目が弱くなった分、簡素なラベルが必要かも。

老眼はともかく、簡素なラベルは、初めての客でも、
気軽にボトルを手に取って、試してみようと思わせてくれる。
最近になってドイツでも、ラベルは簡素な方が良いと気づいたようだ。

7.ユニークなワイン造り
若い世代は年配層よりも好奇心に富んでいて、実験的な挑戦を厭わない。
彼らには、イエローテイルも売れるだろうけれども、
シングル・ヴィンヤードのグルナッシュだって、売れる。
そして、彼らの興味を掻き立てて、トゥイートさせ、
キッチンで友人達とのテイスティング会を開かせるのは、
シングル・ヴィンヤードのグルナッシュのような、ユニークなワインだ。

情報にあふれている今、面白い製品がなければ注目を集めるのは難しい、
そして、面白いワイン造りに勤しんでいるワイナリーは、報いられて当然だろう。

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こうやって書いていると、自分も25才だったらよかったのにと思う。
僕らが育ったワイン世界は、最高のボトルは奥のセラーに隠されたままで、
面白いグラス・ワインなんてものは存在しなかった。
コンサートでだって、せいぜいプラスティックボトルに詰められたものしか望めなかった。

今週末、僕はWind Gap Sonoma Coast Syrahを片手に
(アルコール分は、たったの12.7%!)Phoenixを聞いていた。
これぞワインを楽しむべき姿だし、だからこそ20代の若者にも、
ワインが受け入れられているのだと思う。

アメリカのワイン業界の皆さん、Good job! 

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以上ブレイクが見た、アメリカの若い消費者層とワインの関係でした。

アメリカはただ漠然とワイン消費市場でトップを争うようになったのではなく、
これまでのワイン業界関係者の努力があった結果なのね…と納得。

お洒落なレストランで、ソムリエに慇懃に開栓してもらうのも、
たまには、それなりに楽しいけれど、
やっぱり、毎日の食卓を楽しく飾って、料理を美味しくしてくれる、
気取らないワインが一番。

情報をうまく利用して、ユニークなワインに果敢に挑戦、
日々の生活を、豊かにしたいものですね☆

オリジナルをご覧になりたい方は、こちらをどうぞ♪

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by sfwinediary | 2010-08-19 07:39 | ワインなお話