カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


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R・パーカー氏、セミリタイアに寄せて

ロバート・パーカー氏が、カリフォルニア・ワインのレビューには
もはや携わらないとのニュースが、先日、ワイン業界を走り抜けました。
替わりを引き継ぐのはAntonio Galloni氏。
ロバート・パーカー氏のセミリタイアに寄せた、ブレイクのコラムをどうぞ☆


Thoughts on Robert Parker's semi-retirement –by W. Blake Gray

R・パーカーが、もはやカリフォルニア・ワインのレビューに携わらないとの発表を聞き、
Enologix社はどう出るのだろうか?との思いが頭をかすめた。

Leo McCloskeyは、パーカーの評価に沿うようなワイン造りを技術的に手助けする
コンサルタント手法で、これまで成功を収めてきた。
この方法は、パーカーの後継者アントニオ・ガローニにも有効かもしれない。
恐らくEnologix社では今週あたり、これまでのガローニのイタリア・ワイン評価を
全てさらい、どうしたら高得点を狙えるのか、大忙しで模索している事だろう。

その他にも、次のような事項が思い浮かぶ。

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*パーカーは未だ全面引退したわけではなく、これはボルドーにとっては朗報だろう。
何故なら、彼の評価をなくして、ボルドーの高値はあり得ないからだ。
氏は膝を痛めている為に、今年のアンプリムール・テイスティング(En Primeur tasting)
への出席を危ぶまれるが、ボルドーのワイン業界に与えるその波紋は大きいだろう。
当分の間、彼が最も大切なポートフォリオを手放すことは無いだろうが、
何れは交代の時期が来るので、準備を促す意味では良い事かもしれない。

*ジェイ・ミラーは良い人間だ。でもワイン愛好家として言わせてもらえれば、
彼がワイン・アドヴォケート誌で、カリフォルニア評価を担当しないのは、
ありがたい事だ。

*パーカーのブルゴーニュに対する蔑視は、依然として鮮明だ。
一つの地域を、2人のライターが分けて担当する場所は、他には見当たらない。
オイシイ所は成功者ガローニに引き継がれ、Macon(ブルゴーニュ白ワイン)は
David Schildknechtの担当となったが、“残り物”といった感は免れない。

*ガローニが担当するのは、シャンパーニュ、イタリア、カリフォルニア、
シャブリ、そしてコート・ドールといった広域。
狂気の沙汰だ。
彼が業務をこなせたならば、パーカー氏以上にパワフルな存在となり得るだろう。
しかし、アドヴォケート誌のレベルを保ちながら、一人の人間が
これら全ての地域のエキスパートとなる事は不可能に思える。
こんなに多様で、遠く離れた地域にある、新しいワイナリーのみならず、
全ての小さなワイナリーをも熟知するなんて、とても無理だろう。

*この代替わり騒動の間、ワイン・スペクテイター誌が力を増すか?
可能性はあるだろう。
そして、小規模なEnthusiast, Wine & Spirits, International Wine Cellar
といった面々が、新しい読者を増やす好機でもある。
もしもこれらの雑誌が、パーカー氏と似た評価方法を採用するならば
(力強さを重視、酸味を否定)、追随する読者の獲得は容易いだろう。

*多くのブロガーのリアクションは、パーカーは古い恐竜であり、
得点法なんて問題外だ…というものだろう。
しかし僕は最近、西海岸で最大の小売業者が、5雑誌(上記)で
90点を取れなかったワインは、味見しないと公言しているのを聞いたばかりである。

*小売店にとって得点評価制は、消費者にアプローチし易い、魅力ある販売方法だ。
もしも新パーカーが、これを継続して提供出来なければ、
販売店が独自に得点を付けるのは自然の流れだろう。

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*今回の動きで、パーカーがカリフォルニアでのキャリアを閉じるならば、
いよいよVintners Hall of Fame(ワインの殿堂)入りの時期到来といえる。
選考委員会委員長として、ここでの個人的意見は控えるけれど、
彼は過去2回、ホンの一票の差で殿堂入りを逃している。
来年の投票結果の行方がなんとも楽しみだ。

*パーカーは、カリフォルニア、ボルドー、そしてローヌ地方の
“完璧に保管された状態の”オールド・ヴィンテージを評価する計画でいる。
しかしそれは自己満足でしかないだろう。
何故なら、それらのワインは購入不可能な品々で、ボトルのバリエーション、
保存状態ともに、彼の経験は、他の誰も分かつ事が出来ないものだからだ。

まぁ、そのうちに毎日、どんなランチを食べたかを報告してくれるようになったら
楽しいけれどね。
(彼がバーガー好きか?ハマス・ラップを食べた事があるか?とか、興味ありません?)

*そして最後に、誰もが知りたがっている問い。
ガローニの登場により、これまで過大評価され過ぎてきた、
カリフォルニア・ワインメーカーの幾人かに、再評価が為されるのだろうか?
現在、彼の双肩にはとてつもない責任が乗っている。
カリフォルニアへ、ようこそAntonio Galloni!

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以上、ブレイクのコラムの和約でした。
これからのカリフォルニア・ワイン、
影響度大の評論家の世代交代によって、新しい方向へと進むのでしょうか?
それとも旧態依然として、大きいことは良いことだ…という、
好ましくない方向へと進み続けるのでしょうか。

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by sfwinediary | 2011-02-08 08:29 | ワインなお話