ピノ・ノアール葡萄から生まれた白ワイン
2011年 05月 03日
そんな時に、こちらのワインは如何でしょう。
現在活躍中のワインメーカー、ピノ・ノアールの天才魔術師アダム・リー氏は、
Siduriのラベルの元、シングル・ビンヤードのピノを精力的に造り出しています。
そして、このノヴィー・ブラン・ド・ピノ・ノアールも、リー氏の作品。
理論上、どの葡萄からでも白ワインが作れます。
でも、それではせっかくの赤葡萄がもったいない…ということで、
レッド・グレープから造られた白ワインを見るのは、とっても稀。
ピノ葡萄から作られたシャンパンのブラン・ド・ノアールは良く口にしても、
スティルワイン版はめったに見かけませんよね。
前にシラーから作られた白ワインを飲む機会がありましたが、
2本目を買いたい…とまで思う品ではありませんでした。
でも、このリー氏が造ったピノ・ノアール白ワインは、とってもユニーク。
彼がピノの魔術師たる由縁です。(研究者と言った方が合っているかもしれませんネ☆)
Novy Blanc de Pinot Noirに使われているのはオレゴン州のピノ、
畑の中でも特別に成熟が遅い場所の葡萄を選んでいます。
収穫してすぐに、房の全部分を優しく圧縮。
その後、搾った葡萄ジュースを一日置き、ナチュラルオーク樽とステインレスの
組み合わせで、数カ月間、醗酵させているそうです。
さて、このワインをブレイクが初めてブラインドで味見した時は、
樽を使わなかったシャルドネ、またはヴィオニエだと思ったそう。
リー氏自身が味見した時は、マルサンヌかルーサンヌ葡萄のようだと感じたとか。
ブレイク曰く、「Marsanne や Roussanneほどフルボディでは無いけれど、
でもリー氏の目指す目標の一つは、ヨーロッパの料理にまけない
リッチな風味の白ワインを造り出す事なので、
ピノ・ノアールで白ワインを造り出すのは、氏にはぴったりの試み。」
注目したいのは、そのフルーツ風味。
梨やグアバといった、普通のピノでは味わう事の無い風味が存在していて、
逆に、チェリー、クランベリー、ラズベリーと言ったベリー風味は感じません。
ということは、これらベリー風味は、葡萄の皮に由来する風味なのでしょうか?
このピノ・ノアール白ワインが造られるのは、今年で3年目。
ワイン・オタクの間で、密かに話題になっているようです。
ほんのりとオレンジが掛かった黄色。
繊細な香りはグアバの皮、白桃、アジア梨。
ミディアム・ボディで、アジア梨とグアバの皮の風味。
満足のいく口当たりで、アルコール度は13.9%。
このワインを始めて飲んで、『これはピノで出来た白ワインね』なんて、
ピッタリと当てられる人が、この世界上いったい何人いるのでしょうか。
機会がある方は、次回のブラインド・テイスティング会で、
グラスにこのワインを注いで、葡萄品種を当ててもらうのも一興です☆