カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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何処まで上がる?ワインのアルコール度


近年、ウナギ登りのワインのアルコール度。
中には表示を見るだけで、飲むのを躊躇してしまいそうなワインもあります。
面白いリサーチ結果が発表され、ブレイクが分析しています。
オリジナルの記事はこちらからどうぞ☆


Alcohol in wine: increasing in every country - by W. Blake Gray

近年、ワインのアルコール度が上がりつつあるのは、何も新しいニュースでは無い。
しかし、僕がここで伝えたいのは、5月25日に発表されたリサーチ調査で、
その傾向が、世界中で体系的かつ普遍的であるという結果が出た点だ。

調査結果によると、世界中のワイナリーが、ラベルのアルコール度を、
実際よりも低く表示している。
近年、多くの消費者が、がっしりとした(Boldな)ワインを求めているのに対して、
ワイナリー側では、ラベルの表示を低くした方が、より多くの販売に繋がると
考えているのは面白い。

また、往々にして高アルコール度で、やり玉に挙げられるカリフォルニア・ワインだが、
過去20年間の上昇率は、世界のメジャーな生産地の中では、一番低い。

この調査結果は、American Association of Wine Economistsと
UCデイビスの4人の研究員が共同で発表したもので、
Liquor Control Board of Ontarioが1992年以降に輸入した、全てのワインに含まれる、
実際のアルコール度を調べたデータを使用している。

この調査結果には、実に面白いデータが山盛りなので、幾つか要約してご紹介しましょう。

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* 世界中で起きている、ワインに含まれるアルコール度の上昇率、
地球温暖化だけでは説明しきれない程、その進み方は急速だ。

* 幾つかの地域では、トレンドに逆行し、1992年以降のアルコール度が下がっている。
仏ブルゴーニュ(白・赤)、米オレゴン州(赤)、伊ピエモンテ(赤)、
米ワシントン州(赤)といった顔ぶれだ。

オレゴン州の赤ワインは下げ率が一番大きいのだけれど、もしかしたら葡萄種類が
変わった為に起きた変化かもしれない。残念ながら、そこまでの詳細は述べられていない。
ピエモンテとワシントンの下げ率は、微々たるものだけれど、
このご時世では特出していると言える。
そして、ブルゴーニュときたら、善哉!

* アルコール上昇率が最も高かったのは、いずれもマイナーな地域。
加ブリティッシュ・コロンビア州と、CA, OR, WA州を除いたアメリカ。
マイナーさ故に、ワインの熟成度を追求したのだろうと容易に推察される。

* 有名どころでは、仏ラングドック、ローヌといった地域で、
赤ワインのアルコール度が最も増している。
白ワインでは、両者に加えて、ピエモンテも顔を揃えている。

* 国別では、チリ・ワインが最も急速にアルコール度を上昇させている。
続くスペインや南アフリカは、数字でかなり引き離されている。

一方、1992年当時に平均13.5%で最も高かったアメリカは、
その後の上昇率は世界で一番低く抑えられている。
片や、フランスの上昇率は、アメリカの約3倍にも及ぶ。

* 言われる前に書くけれど、この調査の欠点は、1992年以後、
平均アルコール度を公表していない事。
また、毎年のパーセンテージの変化、成長率、後退の分析、対数などなど、
学術的ではあるけれど、ジャーナリストの書いたものでは無い点。
(こうやって僕が要約して、良かったでしょう?)

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* 全ての国で、表示されている数値は、実際のアルコール度よりも低かった。
赤ワインで不正確さが最も顕著だったのはスペインで、誤差でアメリカが続く。
白ワインでは、アメリカとチリが共に並んで、不正確さで世界を牽引している。

* 称賛されるのは、ポルトガル。
白・赤ワインどちらも、表示と実際の数値は近似だった。
ポルトガル・ワインが愛されるべき理由の一つだろう。
ニュージーランドも、赤ワインの誠実さで2位につけたが、
白ワインでは誤差がやや大きく、南アフリカと2位タイとなっている。

* さて、研究では、良く解らない統計学を使って、
各国の『望まれるアルコール度』なるものを推測している。
恐らく、実際のアルコール度と、表示アルコール度の差異から、
ワイナリーが考える“消費者の願うアルコール度”を割り出したのでもあろうか。

『"desired"数値』は、僕の目にはかなり低く映る。
赤ワインでは、世界平均は12.98%。アメリカでは13.21%。
これもこの研究の欠点と見うけられるが、思うに、$7の大量生産ワインと、
$30の丹精込められたワインを、一緒くたに見なした結果なのかもしれない。

* 1992年の赤ワインにおける、平均アルコール度は、オーストラリアが最も高くて14%。
ワラビーの毛、一本の差で、2位のアメリカ(13.99%)を抜いた。
一番低かったのはカナダの12.8%、フランスが13.1%でそれに続いていた。

* 最後に、あまり語られる事が無いけれど、アメリカのホット・スポットをご紹介。
1992年以来、アメリカの白ワインのアルコール度は、平均13.66%で、
2位につけたチリ(13.45%)を引き離している。
一方で、愛すべきポルトガルの白ワインは12.33%、続いてイタリアが12.39%。
低アルコール度のワインが、なかなか見つからないと、嘆く方々への朗報です。

覚えておいて下さい。アメリカで高アルコール度注意報を要するのは、
ジンファンデルよりも、実は、シャルドネだって事を。

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以上、ブレイクの分析でした。
調査結果の数値を見ていると、自分なりの面白い発見があるかもしれません。
ブレイクの英文オリジナルの記事はこちらからどうぞ☆

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by sfwinediary | 2011-06-03 07:40 | ワインの雑学