カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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料理とワイン、理想のペアリングは?

料理とワインのペアリングには、2つの両極端が存在します。

一つは、グルメ雑誌の記事に代表されるような“完璧なペアリング”主義派。
『このレシピには、ソーヴィニョン・ブラン、それも絶対に
フランスのロワール産を合わせなくてはダメ!』と謳った記事を目にしますが、
このような場合、彼らの言い分は、どんなに美味しくでも新大陸のSVでは役者不足。

そしてもう一方は、“何でもOK”派。
『もしもあなたが飲みたいのがカベルネ・ソーヴィニョンならば、
一緒に食べる料理が何であろうとも、関係無し。
たとえ食卓に乗っているのが、シンプルに蒸した蟹であろうとも、
自分の心に従って、カベルネを飲めばいいのです』…といったもの。
こちらの場合、蟹のデリケートな風味は、二の次。

両者とも、気持はわかるのですが…。
でも“完璧な組み合わせ”なんて、誰が決めるの?
また、この食材にこのワインは絶対に合わないなぁ…という組合せも確かに存在します。

理想的なのは、極端に走らない、その中間。
何故なら、多くの料理は、なかなか幅広いバリエーションのワインと合うからです。

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例えば蟹だったら。
シャルドネ、ヴィオニエ、日本酒、ピノグリ、リースリング、ミュスカデ…等々、
ペアリングを楽しんでみたいリストは、なかなか長いもの。
反面、マルベックやシラーと合わせるのはご法度です。
(何故合わないのか?百聞は一見に如かず。疑問に思われた方は、一度お試しください☆)

世間によく聞くステーキのペアリング相手は、カベルネ・ソーヴィニョン。
でも、そんな既成概念を吹っ飛ばしてくれたのは、フロリダ州タンパニある
老舗バーンズ・ステーキハウス (Bern’s Steak House) 。

この店でソムリエDixon氏が勧めてくれたのは、ピノ・ノアール。
ブルゴーニュの繊細なワインは、バーンズの厳選された肉、
そしてそれ故に、とてもシンプルなステーキにピッタリでした。

横道:バーンズでは、自分の好きな部位の牛肉を頼めるのですが、
風味を大切にする方々へのお勧めは『Delmonico』。
リブ・アイ(Rib-Eye)と呼ばれるこの部位は、上質な脂肪分に富み、
もっとも甘くて汁気に富んだ肉。
フランスの繊細なピノ・ノアールをお供に、大変美味しく頂けました。


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さて、レストランで頼んだ料理に“完璧”に合うワインを探そうと思っても、
料理に使われている塩加減や調味料を、サーバー氏にいちいち聞き出すのは大変。
また、仮に料理をイメージ出来たとして、
店のワインリストを見ただけで、全てのワインの味を思い出せる?
ワインは樽で熟成しているの?しているとしたら、どのくらいの期間?
などといった情報は、例えiPhoneがあっても、その場で全て探し出すのは至難の業。

また、一生懸命に探した結果、“このリゾットにはバローロが相性バッチリ”
なんて答えが出ても、店にバローロが無かったら?
そもそもバローロが嫌いだったら?どうしましょう…。

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ちなみに、CIAのヘッド・ソムリエ、トレーシー女史の話では、
人生を変えるような素晴らしいペアリングに巡り合える頻度は、
彼女の場合、1年に一度あるか無いか…ぐらい。
記憶に残るペアリングに出会えるのは、ひと月に1度ほど。

ワインが勝っても、料理が勝ってもならず、あくまでも彼女が求めるのは、
ワインと料理が互いに引き立て合うペアリング。
カリフォルニアでも最高の料理とワインに囲まれる彼女にして、この頻度。

料理とワインのペアリング世界は、ミステリアスで、豊富な経験値が必要。
プロのチームが選んだコースペアリングの場合でさえも、
『完璧さ』に出会えるのは、ごく稀な事。
逆に言えば、それだからこそ、皆が追い求めて止まないのかも知れません。

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・・・で、何が言いたいの?
いや、あの、ワインの世界は、奥が深くて面白いなぁ…と。

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by sfwinediary | 2011-06-09 07:02 | 日記