カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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ワインと蜘蛛とルクセンブルグ

これは先日、飲茶仲間と共にしたランチの席で、ブレイクが披露してくれた話です。

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"News flash: Spiders can get drunk!" –By W. Blake Gray

僕は先日、ルクセンブルグのワイナリーを訪れる機会を得た。
しかし、同行したメディアの中に、ワインメーカーに“インタビューする”のではなく、
多くのブロガーと同様、自分の事ばかりを語りたがるフランス人記者が一人いて、
ちょっと我々の仕事の障害となっていた。

最後に訪れたワイナリーで我々が試飲できたのは、1時間でたったの4種類。
それもこれも、フランスでのピノのあり方、フランスでのピノの将来性、
夫と彼女の意見の違い等々、彼女がピノ葡萄についてのウンチクを、
余すところ無く、ひとり滔々(とうとう)と語ってくれた故だった。

静聴する間、僕は一匹の虫に気が付いた。
それはスピットバケッツを、なんとかよじ登ろうとしていた。
僕の小指の3分の2ほどの大きさで、黒い体に下アゴだけがちょっぴり黄色だった。
いったい何の理由で下アゴが黄色いのだろう?なんて思いつつ、
同行記者の自分語りに飽きていたので、僕はその虫に注意を向けることにした。

虫がスピットバケッツの天辺に登って来ると、間近に観察できた。
(カメラに収めるには小さ過ぎたので、写真は無しです。)
羽根でも隠していないか、もうちょっとよく見ようと思ってペンでつついた所、
味見後のワインで満たされたスピットバケッツの中に、誤って落としてしまった。

ごめん!虫よ。

虫はものすごい勢いで足をバタつかせて、何とか側面につかまろうとした。
しかし、なかなか足場が掴めずにいる。
僕はあわてて紙の端きれをちぎると、ワインの海から彼を救けだした。

でも救助が少々遅すぎたようだ。
その物体は手足を長く伸ばしたままピクリとも動かない。
この時、8本足である事を確認し、この虫が蜘蛛である事を確信した。

罪の意識を感じながら、周りを見回したけれど、ゴミ箱が見当たらない。
仕方ないので、彼をテーブルに置いたまま、
“インタビュー”が面白くなっていないかと、会話に注意を向けてみた。
進歩なし。
そこで、再び蜘蛛を見ると…
足が動いている!よかった、生きている!

蜘蛛はゆっくりと右側を持ち上げて一歩進み、その場にへたってしまった。
どうやら酔っぱらっているみたいだ。

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そのうちに再び足を持ち上げて、よたよたとテーブルの端に向かって歩き始めた。
机の端にたどりつくと、下を覗き見、どうにかして、
この痛ましい場所から逃げ出そうと考えたようだが、
「駄目だ、まだ出来ない」と思い直したようで、後進し始めた。

しかし、またまた考え直した蜘蛛は、糸を紡ぎながら、そろそろと机を降り始めた。
そして、どうしたものか、身体の3倍ほどの長さにまで糸を伸ばすと、
逆さま状態で停止した。
手足をおもいっきり伸ばしている様は、まるで僕が酔っぱらって、
ソファに大の字になっている姿そっくりだ。

逆さまにぶら下がる…。
ひょっとしたら、二日酔いから脱出するための、偉大なる方法なのかもしれない。
僕は密かに、このネタが次のスパイダーマンの映画に使えないものだろうか…と考えた。

そして驚くべく結末。
このポーズを何分間か取った蜘蛛は、酔いから立ち直ったようで、
なんと、机を登り、再びスピットバケッツへと向かい始めたんだ。

擬人化すると、アルコールを求めて再び…なんて考える所だけれど、
おそらくこの蜘蛛は本能に従っていたのだろう。
彼は多分、葡萄畑に生息する蜘蛛で、
下アゴが黄色いのは葡萄の色を模していたのだろう。
(ルクセンブルグで栽培されているのは97%が白葡萄です。)

これが僕と蜘蛛のルクセンブルグ物語。
その後、もう2,3種類を試飲をして、僕らはこのワイナリーを後にした。

同行記者が、彼女の夫がオニオンタルトを食べる時、
そのタルトに使われている胡椒の量と、ピノ・ノアールの熟成度にもよるけれど、
ピノ・ブランよりもピノ・ノアールとのペアリングを好んでいる事、
とはいうものの、昨今フランスでは、どこもかしこもピノ・ノアールを栽培しているので、
フルーツ風味が強すぎるきらいがある事、そうなったらピノ=ブルゴーニュでは
無くなってしまう事、でもやっぱりブルゴーニュはスタンダードである事、
ブルゴーニュは現在、土地を認定する上で法律上、様々な困難に面している事、云々…
などと語らっていた傍らで、僕が掴んだ、大スクープ。

蜘蛛はワインで酔っぱらう!!!

皆さんご存知でした?

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ちなみに、蜘蛛がカフェインやドラッグの影響下にある時、
こんな風な蜘蛛の巣を作るそうです☆


この話が披露されたのは、インナー・サンセット地区にある南海漁村海鮮茶寮
ここで絶対に見逃せないのは、スペシャル・ティー。
目の前で旗袍に身を包んだ少姐が、お茶セレモニーを展開してくれます☆

ブレイクの英文オリジナル記事は、こちらからどうぞ☆


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by sfwinediary | 2011-06-11 07:52 | 日記