ハースト・キャッスルのワインセラー
2011年 09月 12日
カリフォルニア海岸の絶景を見下ろす、サンシモンの高台に
豪華な佇まいを見せているのは、ハースト・キャッスル (Hearst Castle)。
金鉱事業で一旗あげたジョージ・ハースト氏は、1865年に4万エーカーの土地を購入。
その後、遺産を受け継いだウィリアム・ハースト氏が、サンフランシスコの建築家
ジュリア・モーガン女史と共に、サンシモンの高台に豪邸を建築しました。
氏が幼いころ母親と旅した欧州の印象を、隅々まで反映した邸宅は、
当時としては最先端の技術を整えていて、今見ても驚くばかり。
ハースト・キャッスル(Herast Castle) を楽しむメインは、邸の見学ツアー。
昼間は3種類のツアー、季節によって夜間ツアー等、数種類あります。
10年ほど前に訪れた際は、劇場を見たくてGrand Rooms Tour を選んだのですが、
時を経て尚一層、ワインに溺れ、食を愛するようになった我々は、
今回 Cottages & Kitchen Tour に参加しました。
ツアーはビジターセンターから出発、バスに乗って10分程かけて高台の邸宅へ。
その昔、動物園も備えていたハースト・キャッスル、
現在も名残のシマウマが牧場内に住んでいるそうですが、残念ながら見えず。
遠くに牧草飼育牛や馬達が草を食んでいました。
邸宅に電気が引かれたのは1920年代。
その前は、水力を使った発電機を使っていたそうですが、
ハースト氏とモーガン女史の美意識から、敷地内の電線は全て埋蔵されており、
不細工な電線が景観を損なう事はありません。
主要建物カーサ・グランデの北側地下に建てられた、ワインセラー。
火事と泥棒除けの為に、全く独立した2部屋が設けられています。
館では、禁酒法時代(1920-33)にも、アルコールが振舞われたそうですが、
ハースト氏自身は嗜む程度で、酔っ払いを倦厭。
食事前のカクテルや、食事中のワインは饗されましたが、
ゲストが客室にアルコールを持ち込むのは禁止だったそう。
荷物にこっそり忍ばせたフラスクが見付かろうものなら、
最寄りのサン・ルイス・オビスポ駅から、汽車で追い返されてしまったそうです。
今でこそ、カリフォルニアでは質の高いワインが生産されるようになりましたが、
当時はバルクワインが主流。
セラーの中に眠っているボトルは、ロマネ・コンチティ(1934)、
シャトー・マルゴー(1925)等、ヨーロッパの面々でした。
もっとじっくり見たかったのに、案内のおじさんに急かされて、
後ろ髪をひかれながらセラーを後に。
ゲストルームは、室内装飾が過激すぎて、よくこんな部屋で眠れたなぁ…
と思ったものの、窓からの景観は「素晴らしい」の一言。
(キンキラキンの装飾を、もう少しシンプルにしたら、絶景が引き立つのに…。)
最後にたどり着いたのは、キッチン。
濃厚ソースが苦手だったハースト氏は、フランス料理は得意では無かった模様。
雉、ローストビーフ、ロブスター等、食べたい食材を、
その都度、ロサンゼルスから空輸していたとか。
新聞と同じで、料理でも、人々を“あっ”とビックリさせて、楽しんでいたそうです。
案内付きツアーは45分で終了。
終了後は夕方5時の最終バスまで、邸園内を自由に探索出来ます。
案内人があちこちにいるので、質問があったら色々聞けて便利。
劇場の巨大スクリーンで約40分のハースト氏のミニ映画を見ると、
キャッスル建造の歴史が良く解り、より思い出深くなること間違いなし☆
ツアー後には、お土産コーナーでハースト・ランチ産の牛肉を買うのも一興。
去年から登場したハースト・ランチ・ワイナリーのワインを
合わせて買うと2倍も楽しいかも。
今買うなら、マルベック (Hearst Ranch Winery 2009 Marbec) がお勧め☆
何で個人の資産が、州によって宣伝されているんだろう?と思ったら、
邸宅そのものはカリフォルニアに寄贈されたものの、ビジターセンターは
現在もハースト・コーポレーションの所蔵で、州に貸している関係。
なので、個人の所有である、ハースト牧場のビーフや、
ハースト・ランチ・ワイナリーのワインが販売されているんですね~☆
見るたびに泳いでみたくなる、ネプチューン・プール。
飛び込んだら$750の罰金だそうです。
これを安いとみるのか、飛び込む人が、年に数人は出没するとか。
チャリティ・パーティで、運営費の寄付金を募りたいのならば、
『ネプチューン・プールの水遊び付き、夕食会』とかを開いたら、
人が集まるんじゃないかと思うのですが、どうかな…。
先を急いでいた私達は、セバスティアーニで、ハースト・ランチ牧草飼育牛の
フレンチ・ディップ、ハンバーガーと、マルベックでお昼ご飯。
その後、パソ・ロブロスにある、ハースト・ランチ・ワイナリーへと向かったのでした。
ワインについては、次回ブレイクの記事を和約してお届けします☆