カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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ある日の陪審員審査 in サンフランシスコ

アメリカの市民権を持つ人ならば必ずお勤めしなければならない、陪審員制度。
サンフランシスコに住み始めて間もない頃、市民でもない私にまで通知が来て、
誰が何を根拠に候補者リスト作ってるんだい?と、怪訝に思ったものでした。
アメリカ的ないい加減さか、はたまた候補者を集める苦労の故、なのでしょうか…。

さて、米国民であるブレイクの元には、毎年「義務を果たせ」通知が届きます。
アルコールに関する事なら何でもあり♪のこのブログ。
面白いので訳してみました。ブレイクのオリジナル記事はこちらからどうぞ☆


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My day in court for a DUI trial – By W. Balke Gray

そうなんだ、諸君。
飲酒のプロフェッショナルである僕、W. Blake Gray は昨日、裁判所に出頭した。
それも飲酒運転の裁判のために。

…と言っても、幸いなことに僕自身の裁判ではなかったんだけれどね。

恒例の陪審員義務のお呼びがかかり、サンフランシスコ裁判所に出頭したんだ。
でも、やっぱり何時もの如く選ばれなかった。
そう、何故か僕はこれまで陪審員に選ばれた事が無い。

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僕が初めて招集を受けたのは、フロリダに住んでいた頃の事で、
当時、新聞記者としてタンパに近い小さな街を担当していた。
その街の親愛なる裁判官アーネスト・アウルス氏は、集まった候補者の中に
自分の顔を認めるや否や、「ブレイク、家に帰りな」と、早々に僕を追い返したんだ。
実はその少し前、彼の名が全米の新聞一面を飾った事があるのだけれど、
すっぱ抜いた記事は僕の手によるものだった。

当時、ラブ(Love)という男が、一緒に暮らす女性に繰り返し暴力を振るっていた。
彼女はその度に警察を呼ぶんだけれど、ぼとぼりがさめると彼を身請けしに行く…。
こんな事が何度も繰り返され、裁判官はラブに対して怒っていた。
裁判官は保護観察下に置かれていたラブに、女性と結婚するか、別れるか、
どちらかを選択するようにと判決を下した。
その時、僕がAP通信に送った記事の見出しは
「Judge to Love: Get Married Or Get Out」 (ラブへの審判:結婚か、別離か)

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さて、話を戻そう。
この日の飲酒運転にまつわる裁判で、僕が陪審員席に座る事は結局無かったのだけれど、
選任の過程で弁護士達が投げた質問と、それに対する候補者達の返答が興味深かったので、
ここに記そうと思う。

この日選ばれた24人の候補者の内、6人がアルコールを全く飲まないと言い切った。
全米の平均から見ると、これは低い数値だ。
(成人米国人の3分の1が、アルコールを飲まないと推定されている。)
けれどもここがサンフランシスコである事を考えると、25%という数字は高く感じる。

理由が気になるよね。
1人は健康上の理由で飲酒を止め、3人(全員アジア人)は味が嫌いだから飲まず、
もう1人はアルコールを飲む理由が無いから…と言う理由だった。
そして最後の1人は質問自体が気に障ったようで「俺の一族は飲酒しない」と言い放った。
被告弁護人は最後の彼を候補から退けた。(4人まで退ける事ができる)

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「これまでに飲酒後に車を運転した事があるか」という質問に対しては、
候補者24人中、手を上げる者は一人もいなかった。
更に踏み込んだ質問に漸う一人が、夕食時に一杯だけ飲み、その後運転した事が
一度だけある“かもしれない”と、言い抜けの余地を残しながら認めた。
果たして、他の皆はウソつきだったのか?
僕は一杯か二杯飲んだ後に運転した事が何度もあるけれど、
法的にも道徳的にも運転できる状態であった事は断言する。
何故なら僕はプロフェッショナル・ドリンカー(professional drinker)だから。
もしも全てのサンフランシスコ住人が、この候補者達の言うように
一杯でも飲んだ後では絶対に運転しない優等生だったならば、
この街の週末の夜の運転は、どれほど安全になる事だろう。
…やっぱり、彼らの返答は信じ難いよね。

さて24人中2人には、家族にアルコール問題を抱える人間がいると言うことだった。
一人はIRS (米国国税庁)に勤める女性。
父親は大酒飲みだったと言うと、被告弁護人は即座に彼女を候補から退けた。
もう一人は、親戚にアル中がいるが、自分の判断に影響は及ぼさないと主張した。
検察側は後に彼を候補から退けた。

この日法廷には、24人の候補者と、僕を含めた50人余りの“候補者の候補者”がいた。
被告弁護人は全員に向かって「飲酒運転の法律は、アルコール濃度“ゼロ”であるべきだ。
いかなる余地も認めるべきではない」と言う意見に、賛同するか問うてきた。
手を上げたのは1人。思うに、これはサンフランシスコならではの現象で、
他の土地だったら、もっと大勢の手が上がった事だろう。

裁判が始まる前に、僕は解放された。
被告弁護人の質問内容から察するに、どうやら被告はアルコール濃度検査を受ける事を
拒否したようだ。
「アルコール検査を拒否する事は、罪であると思うか」という問いに2人が賛同し、
両者とも弁護人によって候補者から退けられたからね。

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今回の裁判に陪審員として並びたかったと、心底思う。
候補者の候補者だったから意見を述べる舞台が無かったけれど、
もしも僕が質問されていたら、こう答えたかったんだ。

「もちろんアルコールを飲んでるよ!それも毎日ね!
運転前にアルコール摂取した事?何度もありますよ~。
法的に許されるアルコール濃度を0%まで落とす必要?無いと思うなぁ。
この案件を公平に審判できるかって?もっちろんさ!
僕は週の殆どを、公平なワインの審査の為に費やしているんだけど、
ワインを試飲したすぐ後で車に飛び乗って、
吹きすさぶ嵐の中を高速でぶっ飛ばして………」

もちろん嘘です。初めの1行だけ本当です。

まぁね、例え僕が候補者に入っていたとしても、多分、慇懃にお断りされた事だろう。
でも、そしたら何時ものようにカクテルを一杯ひっかけに行くだけの事さ、
もちろん何時ものように「歩いて」ね。

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以上、DUIに纏わるある日のサンフランシスコ裁判所の風景でした。

念の為に付け加えますが、どうしてもワインを飲んだ後に運転する必要がある場合は、
相棒はコーヒーを飲んだりデザートを食べたりして時間をおき、しっかり酔いを醒まします。
また、酔いたい気分の時は初めから運転はせず、歩ける距離のレストランに徒歩で行きます。

だからサンフランシスコから離れられないのでありました☆

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by sfwinediary | 2011-11-29 09:14 | 日記