カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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ガッローニ氏 ナパ評価 其の2

アントニオ・ガッローニ氏が先月発表した初めてのナパ評価。
氏の評価をどう読み解くか?ブレイクの分析、第二弾です。
オリジナル英文はこちらからお楽しみください。


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Antonio Galloni's first reviews of Napa: 94 is the new 90 - by W. Blake Gray

<ビッグ・ワイン>

パワーに対するガッローニ氏の賞賛の言葉は、テイスティング・ノートのあちらこちらに
見受けられますが、時には、考えも及ばなかったような所で見つかります。

ナパでバランスの取れたワインといえばCathy Corisonであり、
あたかも他の400以上のワイナリーはバランスの良いワインを作っていない…
というような扱いをする風潮が、最近のメディアにあります。
そんな中で今回、彼女がナパ・ヴァレーのカベルネで造ったCorisonが92点、
Kronos Vinyardのカブでは94点を獲得したのはニュースでした。
(これまでの彼女の最高点は、1993年のカベルネにつけられた90-91点です。)

確かに彼女のワインは90点以上に値します。
しかしガッローニ氏は、他のワインライターに取ってCorisonがどういった意味を
持つのか知った上で、この得点をつけたのでしょうか。

彼はKronos Vinyardのカベルネは「これまでよりリッチで熟成したスタイル」であると
評しており、それが今回2点上昇した事につながっているのです。
似たような評価はあちらこちらに見受けられます。
「リッチ、熟成」 いまだに健在のキーワードです。

<オーク風味のショーヴィニョン・ブラン>

アドヴォケイト誌、ワイン・スペクテイター誌、共にソーヴィニョン・ブランは盲点です。
SVはフード・フレンドリーな美味しいワインですが、遺伝子的な子孫である
カベルネ・ソーヴィニョンのように高得点を得る事はありません。
ごく稀に90点ラインを超えても、オークで化粧を施したSVです。
ガッローニ氏はこの伝統を踏襲しており、彼がSVに付けた最高点は92点、
彼に取っての平均点です。そしてそれら3種には、全てオークが使われています。

<David Abreu love>

パーカー氏は常に、ワイン醸造家David Abreu氏の手によるワインを愛してきましたが、
デビット・アブリュー氏のガッローニ氏への影響は、それを遥かに越えています。

最高点が付いた9つのワインのうち、6種がAbreu Vineyardsのワイン。
Abreuのワイン12種類、全てが96点プラス以上を獲得。
このワイナリーはそれほどナパでも特出したワイナリーなのでしょうか?
少なくとも、ガッローニ氏はそう考えているようです。

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さて、ここからはガッローニ氏のスコア観察で感じた事をランダムに挙げてみます。

* 先日、ガッローニ氏のソノマ郡でのテイスティングが、どのように
お膳立てされたのか書きました。(この件については、いずれ翻訳します☆)
そこで、ナパ郡では、ガッローニ氏に評価を依頼するワインを選考する際に、
Napa Valley Vintnersのメンバーのみに限っているのかどうか調べてみました。

結果は否。A行を見ただけでも、Abreu, Ad Vivum, Alante Vineyard,
Altamura, Anderson's Conn Valley, Aston Estate and Au Sommetと、
NVVメンバーではない面々が続いています。

* ガッローニ氏は、少なくとも超マイナーな葡萄種を見逃さないようです。
Larkmead Tocai Friulano と Tofanelli Charbonoに(氏の平均点である)92点を、
Grassi Ribolla Giallaに91点を付けています。

しかし残念ながら、2011年に試飲したナパ・ヴァレーのワインの中で、
僕が最高だと思ったMassican Anniaには、目が止まらなかったようです。
まぁ、引き締まったミネラル風味のワイン、いわゆるソムリエ好みのワインは、
いずれにしろ氏の好む所では無い様なので、当然の結果かもしれません。

* パーカー氏はガーギッチ・ヒルズを好まず、91点以上を付けた事は
ありませんでしたが、ガッローニ氏も同じようです。
ガッローニ氏がつけた得点は89点が1種、87点が3種、そして86点が1種。
最高得点はYountville Selection Cabernet Sauvignonについた89点でした。
僕自身も、Grgich Hillsの赤を常に愛している訳ではありませんが、
白ワインは素晴らしいものを造っていると思います。 …あくまでも外野の意見ですが。

* 価格と得点のギャップが最も激しかったのは、Amuse Bouche 2009($295)の89点。
パーカー氏はこのワインを好まず、これまでの最高点は93点でした。
でもかつて僕は、クリスマスにヴィンテージは忘れましたがアミューズ・ブッシュを飲み、
素晴らしい(fantastic)と思いました。 …はい、あくまでも外野の意見ですが。

* ガッローニ氏がワイン・アドヴォケイト誌を買い取るかもしれない…という
噂を耳にしました。道理に適っていますよね。
ガッローニ氏はかつて投資銀行家であり、若さと情熱があります。
一方でパーカー氏は、そろそろ悠々自適の人生段階を迎えてもいい時期です。

もし噂が本当ならば、今回のナパに対するガッローニ氏の評価は、
パーカー氏の遺産が確実に受け継がれている事を示しているのではないでしょうか。

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以上、ブレイクのAntonio Galloni's first reviews of Napa: 94 is the new 90 でした。
オリジナル英文はこちらからお楽しみください☆

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by sfwinediary | 2012-01-11 09:32 | ワインの雑学