カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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失われたワイン6万本 倉庫放火で懲役27年の刑

不況に悩むアメリカ。
CA州では財政難から、2013年までに34,000人の服役囚を解放する計画です。
最高時には202%にものぼる服役囚を抱えた州では、環境を改善する為に、
来年までに刑務所の収監率を137.5%まで下げる予定だとか。
なので、よほどの凶悪犯で無い限り、泥棒くらいでは直ぐに釈放される可能性が大。

…って事は、今世紀に入って最悪のワインを巡る犯罪人、Mark Christian Andersonは
2月7日に言い渡された、27年の刑を終える前に、釈放されてしまうかもしれません。

ベイエリアにお住まいの皆さんは覚えておいででしょうか?
7年前にVallejoで起きた倉庫の火事事件を。
幸いにも人的被害は出ませんでしたが、この火事で被害を受けたワインの総額は
100億円以上。
例えばRealm Cellarsは、創設時からの全てのヴィンテージを失ってしまいました。
(事件の詳細はブレイクの記事をご覧ください)

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Julie Johnson, with co-worker Arturo Soriano, fears Tres Sabores vineyard lost 2,400 cases of Cabernet Sauvignon and Zinfandel. Chronicle photo by Frederic Larson

検察側はアンダーソン被告に11年を求刑、そして彼が受けたのは27年の懲役刑でした。
現在63歳のかれは2007年から服役していますが、刑期を終えるのは90歳の予定。
この火事で人的被害は出ませんでしたが、これだけ長い刑期が言い渡されたのは、
ひとえに彼の態度の悪さ。
しおらしかったのは裁判の始めのうちだけ。途中から弁護士を非難し、
ありとあらゆる健康問題を持ち出して、なんとか罪から逃れようとしたのです。

アンダーソンの経歴は自称、ロックグループの元マネージャー、元相撲レスラー、
そして留守番メッセージの発明者。どれも嘘八百。嘘で固めた人生でした。

そんな彼がターゲットにしたのは、ワインの収集家達。
コレクター達に、甘い言葉で自分が管理すると持ちかけて、貴重なワインを集めます。
そしてそれらのワインを転売して私腹を肥やしていたのです。

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例えば、3人の収集家が1990年ラフィット・ロートシルトを預けたとします。
アンダーソンはその中の2本を売るか、自分で飲んでしまいます。
(失われたワインがどのように消えたのか、彼は未だに口を閉ざしています)
収集家Aがラフィット・ロートシルトを呼び戻したら、手元に残った1本を持参。
もしも収集家BやCもラフィット・ロートシルトを呼び戻した場合には、
別の新しい収集家が、同じワインの保管を依頼する事を天に祈る…という仕掛け。
しかし、こうした自転車操業は、やがては顧客の知る所となります。

アンダーソンが初めて横領罪に問われたのは2004年。
翌年の時点で、彼は10の横領罪に問われており、被害総額はおよそ1億円にも上りました。
しかし、彼は保釈金を支払って釈放されます。

追いつめられたアンダーソンが取った手は、唾棄すべき行為でした。。。
2005年の10月、事実を隠ぺいするために、倉庫に火を放ったのです。

倉庫では訪問者の来歴を記録しており、アンダーソンは即刻、第一容疑者となりました。
この自暴自棄の社会病質者による、とんでもない行為により、破壊されたワインは6万本。
あたら貴重なワインが露と消えてしまったのでした。

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Insurance adjuster Richard Reimche inspects a rollup door which was apparently blown out from the intense heat in the fire at the warehouse. Chronicle photo by Paul Chinn

この事件から間もなく、ブレイクと共にショーン・サッカリー氏の元を訪ねました。
その時、当時この倉庫に保管していた為、火事に遭い売れなくなってしまった
マグナムのサンジョベーゼのボトルを頂きました。
現在、このワインは、とあるSFの倉庫でこんこんと眠りについています。

悪い奴のとばっちりを食らって、再び炎に曝される…なんて悪夢が
二度と起こらないといいのですが。

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Blake と ワインメーカーSean Thackrey 氏
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by sfwinediary | 2012-02-09 07:59 | 日記