カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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ビールがワインに及ぼす影響は、超特大…
そんな事実に気づかせてくれたのが、ドキュメンタリー映画
『Beer Wars (ビール戦争)』。

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アメリカには1,400以上のビール醸造所があります。
しかしながら、市場を独占しているのは、大手の2社。
最大手のAnheuser-Busch InBev社が、市場の約50%を占め、
続いてMillerCoorsが30%をコントロール。
残りの20%を、小さな醸造所が、争う形となっています。

スーパーで所狭しとばかり、棚に並ぶのは、大手会社のビールの箱。
巨大な費用を広告に投入しているだけあって、認知度は大。
なので、多くの消費者は、気軽にそれらの箱を手にとっていきます。

片や、小さな醸造所のビールは、棚の隅に、それも瓶単位で置いてあるだけなので、
目につきません。
中にはこだわりの消費者が、「オーガニック・ビール」というキャッチにつられて
手に取ることもありますが、その製造所は、大手の傘下に収まる別名の子会社…
なんてことも。

このドキュメンタリーの監督であるAnat Baron女史は、
アレルギーの為ビールを飲めません。
私自身、ビールの味が苦手なので、“小さな醸造所の造るビールが、
果たして大手の2倍の値段を出してまで、飲むに値する味なのか”どうかは、
判断できかねます。

でも、このビール大手会社が、ワインの販売にも大きな影響を及ぼしているのです。

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アメリカでは、禁酒法の撤廃時に制定された法律によって、州によっては、
製造元が、ビールなりワインなりのアルコールを、
小売店に直接販売することが禁止されています。

例えばカリフォルニアでは、ワイナリーが直接、店にワインを販売できますし、
消費者がインターネットで、ワイナリーから直接購入することも可能です。
しかし、ニュージャージー州やユタ州などでは、それが出来ません。(紫色の州)
これらの州では、ディストリビュータを間に入れる必要があります。

大手のビール会社は、これらの州で、自社製品だけを扱う、
独自のディストリビュータを持っているので、
彼らが小売り店舗に及ぼす影響は、とても強大。
店舗での棚の占領率は大きく、自然と消費者の目にもつきやすくなり、
売れたもの勝ちで、市場を独占します。

一方で、地方の小規模ビール製造者の妻が、なけなしの6パック片手に、
毎晩あちこちのバーを訪れ、なんとか自社のビールを置いてもらおうと、
バーテンダー相手にセールスを展開しても、
しょせん象と闘う蟻のようなもの、とても太刀打ちはできません。

ディストリビュータが間に入ることで、消費者は高いコストを支払わされ、
製造元は利益を削らなくてはならず、
一握りの大手が、市場を独占しやすい環境が整ってしまう…。
大手会社には美味しくても、消費者や小規模製造者にとっては、
有難迷惑な制度です。

この規制を撤廃しようという、Free the Grapesのような地道な運動もあります。
しかし、ビール大企業が、政治家にお金をばらまいているために、
この法律が改正される見込みは、今のところ残念ながらありません。

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ワイン愛好家にとって救いなのは、ワイン市場はビール市場のように
大手2社だけに独占されてはいないこと。

一位のGalloが21%、二番手のThe Wine Groupが18%、
Constellationが15%(Almaden、Inglenook、Paul Massonといった
ブランドをThe Wine Groupに売却したため、やや縮小)。
上位10社が占めるのは、アメリカ市場の76%で、
2社が80%以上を独占するビール市場には、遠く及びません。

しかしながら、大手のビール会社が、このThree-tire制度を保持しようと試みる限り、
アメリカでのワイン販売の形態も、当分、変化は望めそうもありません。

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そこで、行きつく所は『ポジティブな買い物』。

私たちが日常の生活の中で、小さな製造元の製品を、積極的に購入することが、
彼ら製造者にとって、一番のサポートになります。
これはオーガニック食品にも、言えること。
映画Food Inc.に登場したような、市場を独占する大手に太刀打ちしようと、
不買運動を試みても、大した影響は与えられません。
でも、小さな製造所にとっては、私たち消費者の日常の購入が
大きなインパクトを持っています。

自身や家族の健康のために、
そして消費者に少しでも良い製品を提供したいと頑張っている、
小規模製造者をサポートするために、
日々の買い物を、意味のあるものにしたいものです☆

このブログを書いている間に、サンフランシスコの青空をブンブンと舞っていたのは
ビールの宣伝用セスナでした☆ アイロニカルね~☆

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ドキュメンタリーは、監督がビールを飲めないので、肝心の中身(味)を語らずして、
販売制度に疑問符を投げかけるだけでは、片手落ちではないのか?
なんて事も、ちらっと頭をかすめますが、Food Inc.を楽しまれた方には、
フード・インクのアルコール版、みたいな感じで
興味深いドキュメンタリーだと思います☆

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by sfwinediary | 2009-11-29 07:10 | 映画
サンクスギビング明けの金曜日。
多くの人が街に繰り出し、クリスマス用の買い物にいそしむので、
この日は、店にとっては黒字の日。
なので、ブラック・フライデーと呼ばれています。
(もともと業界用語だったようですが、ここ数年で一般化したようです☆)

さて、そんな金曜日、コーヒー豆を買いに、ダウンタウンのBlue Bottle Coffeまで、
運動も兼ねて、歩いて行ってきました。

マーケットと5thの辺りから、予想通り、ものすごい人ごみ。
人ごみをかき分けながら、ひたすら前進していたのを、ブレイクが呼び止めるので、
「なんだろう?」と、振り返ったところ、目に入ったのは…

なんと、源吉兆庵!

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Japanese Sweetsの文字に誘われて、早速店内へ。
大好きな粋甘粛があるーーーー!
その他にも、草餅など数点を買って、大満足。

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惜しむべくは、個々の和菓子の英語の説明文が、不十分なこと。
読んで買い物ごころをくすぐるものだとは、お世辞にも言えません。
和菓子に不慣れなアメリカ人が、ふと立ち寄た時に、
「買って食べてみたいわ!」と思わせるようなPOSを用意すればいいのになぁ…と
一消費者として老婆心ながら思ったのでした。

USA. K. MINAMOTO CO. INC.
648 MARKET STREET, SAN FRANCISCO, CA 94104 USA
TEL 1-415-989-1645. (3rdと2ndの真ん中辺☆)


ボジョレヌーヴォー・ワインゼリー、なんて品もあるようなので、
次回は抹茶カステラと、このゼリーに挑戦してみようと思っています。
(ワインの話題に、何とか結び付けてみました・笑)

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by sfwinediary | 2009-11-27 10:41 | 気になるレストラン
今週の木曜日(11月26日)は、サンクスギビング♪
家族や友人と集まり、収穫を感謝する、アメリカの祝日です。
この時期になると、雑誌や新聞で色々な特集が組まれますが、
ブレイクの『サンクスギビングのワイン選び、10項目』を、訳してみました☆

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1. サンクスギビングに、スーパースターのワインは不要。

特別なワインは、料理のお供にするよりも、ワインそのものを楽しみたいもの。
なので、お腹一杯つめこむのが趣旨の、サンクスギビングには不向き。
それに、ワイン好きが6人も集まったら、一人当たりの割当量は、ほんのちょっと。
やはりこの日は、いっぱい食べて、いっぱい飲みたいですものね。
スーパースター・ワインを開けるのは、別の機会に取っておきましょう。

2. 飲むに値しないワインの持ち込みは、無し。

飲んで酔っ払うのが目的の忘年会パーティならいざ知らず、
サンクスギビングに、自分で飲みたくないようなワインを持ち込むのは、
やめましょう。
何も$75もする高級品を買いましょうと言っているのではなく、
せめて$15~20ぐらいのワインは持参したいものです。

3. 完璧なペアリングは至難の業かも。

ターキー、コーン、スイートポテト等々、テーブルの上に並ぶ、数々の料理。
1種類のワインで、すべてとペアリングさせるのは、至難の業です。
なので、少しずつ色々なワインを味見して、様々なペアリングを楽しみましょう。

4. 赤ワインよりも、白ワイン、スパークリング、ロゼの方が、料理に合います。

サンクスギビングで、純粋に赤ワインと合う料理は1つだけ。
マッシュド・ポテトのみ。
軽い赤ワインは、ターキーとグレイビー・ソースには合いますが、
それもベストマッチとは言い難い点があります。
料理に合わせたければ、重めの白ワイン、スパークリング、ロゼがお勧めです。

5. 赤ワイン好きは、何を言っても赤ワイン。

赤ワインが好きな人は、周りが何を勧めても、赤ワインを飲むもの。
そんな人には、軽めの赤を勧めてみましょう。
でも、中には、「いや、自分はボルドーを飲むんだ!」と言って
とっておきのボトルを開けてくださる、奇特な方もいます。
そんな時には、しばし料理をわきに置いて、
複雑で、エレガントな赤ワインをたっぷりと楽しみましょう。

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6. 料理の並ぶサイドテーブルに、ワインも一緒に置きましょう。

我が家では、10本以上の様々な種類のワインを開けて、料理と共に並べておきます。
そうしておけば、色々試飲できて、皆もそれぞれ、
好みのワインを見つけやすいですから。

7. 食前酒は、ジャック・ダニエルよりも、スパークリング。

テーブルに着席する前に、皆で集まって、話に花が咲くひと時。
スパークリングを開けて、パーティをより華やかにしましょう。
ウイスキーを飲むよりも、バブリーを開けた方が、
久しぶりの家族の団欒も、和やかに進むはず。

8. ブレイクお勧めのサンクスギビング・ワイン。

アメリカの祝日ですから、できればアメリカのワインで祝いたいもの。
NY州のリースリング、オレゴン州のピノ・グリー、
Clarksburgのシュナン・ブラン、カリフォルニアのソーヴィニョン・ブラン、
アンダーソンバレーのゲヴュルツトラミネールが、お勧めです。
アメリカのロゼならば、ピノ・ノアール葡萄から出来たもの。
アメリカの赤ならば、CA州かOR州のピノ・ノアール。
バルベーラなんかもいいですね。

9. サンクスギビング料理に合わないワイン。

まぁ、誰が何と言おうとも、飲みたいワインを飲めばいいのですが、
それでも個人的に、サンクスギビング料理に合わないと思うワインはあります。
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、シラーは合いません。
もし、ワイン選びに困ったら、シャルドネが無難。
アメリカで一番ポピュラーな品種ですし、料理にも合わせやすいです。

10. デザートワインが大活躍。

食事が終わった後の、談笑の場を飾るのにぴったりなのが、デザートワイン。
どんな種類でも、大丈夫。
デザートワインのグラスを片手に、あちこちで話に花が咲くことでしょう。

以上、オリジナル記事は、こちらからどうぞ☆
楽しいサンクスギビングを、おすごしください♪


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by sfwinediary | 2009-11-24 04:13 | ワインなお話
毎年この時期になると、ブレイクの元に送られてくる
ボジョレー・ヌーヴォーのサンプル☆
先日、さっそく味見してみました。

今年は、天候が良かったとの事で、味もこの値段にしては、なかなか。
毎年、一口飲んで、残りはシンクに消えていたボジョレー・ヌーヴォーですが、
今年のGeorges Duboeuf Beaujolais-Villages Nouveau 2009は、
ボトルがほとんど空になりました☆

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飲み比べたのは、
Georges Duboeuf Beaujolais Nouveau 2009 ($10)と
Georges Duboeuf Beaujolais-Villages Nouveau 2009 ($11)。

簡単に言えば、広域で採れた葡萄で造られたワインと、
ヴィレッジで採れた葡萄から造られたもの…という違いかな。
わずか$1の差だったら、絶対にBeaujolais-Villagesがお勧めです。

詳しいテイスティングノートは、ブレイクの16日の記事をどうぞ☆

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特別の出来とは言っても、あくまでも、ボジョレー・ヌーヴォーなので、
期待しすぎないで飲むのがポイントかも。
まぁ、この値段ですもの、文句は言えません☆
でも、今年のヴィンテージならば、サンクスギビングの集まりに持っていっても
文句は言われないで、すみそうです。

ヌーヴォーなワイン、サクサクっと買ってサクサクっと飲んでしまいましょう~♪

サンプルが送られてくる際に、気張ったPRの場合、
ミニ・グッズが付いてくる事があります。
今回は、ミニバン♪
何気にかわいくて、気に入ってます(笑)。

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by sfwinediary | 2009-11-19 08:49 | Red WIne
パッションフルーツ、マンゴスティン、そしてパイナップル。
南国のフルーツが、素敵なデザートワインとして登場しました☆

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Radee Passionfruit Fruit Wine ($22.50/500 ml) /中央
香りに恍惚となり、一口目から恋に落ちること間違いなしなのは、
このパッションフルーツ・ワイン。
パッションフルーツと、蜂蜜の甘い香り。
フルーツの持つ酸味がよく出ていて、とても爽やかな後味。
アルコール度12%ということもあって、秋の夜長のお供にぴったりです。

Radee Mangosteen Ambrosia ($31.50/375 ml) /右
値段は少々お高めですが、マンゴスティンというユニークな味は、
ぜひ飲んでみていただきたい1本。
オレンジに近い、ロゼとも呼べない摩訶不思議な色。
味は複雑で、野イチゴ、マンゴの風味。
そしてもちろん、オリジナル果実のマンゴスティン。
杉のような爽やかな香りです。
芳醇な口当たりながら、後味はさっぱり。
これも思わず2杯目に手が伸びちゃう、デザートワインです。

Radee Pineapple Ambrosia ($27/375 ml) /左
3種類の中では、一番ストレートにオリジナルの果物が主張しているワイン。
香りも味も、まさに“パイナップル”。
シンプルなので、少々物足りなさを感じましたが、
パイナップル大好きな方は、はまりそうです。

Radeeのホームページはこちらから♪

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Radeeを立ち上げたのは、神戸出身の日本人女性、ヤマシタマキコさん。
アメリカでMBAを取得し、大学のプロジェクトの一環として、
小規模農業を支援するために、アフリカのケニアに渡り
パッションフルーツの栽培に携わったという、ユニークな経歴の持ち主。

その後、タイランドに活動の地を移し、
カナダ人ワインメーカーのDominic Rivard氏と出会います。
現在、ヤマシタさんは、住居をシカゴからCA州都サクラメントに移して
活躍中です。

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Radeeのワインは、味にうるさいダリル・コーティ氏のお店Corti Bros.の他、
The Wine Club (San Francisco とSanta Ana店)など、
こちらのお店で手に入ります。
(遠くにお住まいの方は、Corti Brothersのオンラインショップでも入手可能です☆)

ホリデーシーズンにぴったりの、デザートワイン達♪
贈り物にも最適。ぜひお試しあれ♪

私は現在、パッションフルーツにするか、マンゴスティンにするか悩み中。
う~~ん、どっちを買おうかしら☆

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by sfwinediary | 2009-11-17 08:39 | ワインなお話

心が元気になる本

毎日の流れの中、ちょっと疲れてしまった時…
心をふっと暖かくしてくれる一冊。

『きょうの禅語 心が元気になる30の禅メッセージ』
絵と文・マツバラリエ リヨン社

禅というと難しそうだけれど、
この本は、作者マツバラリエさんの、
暖かいイラストと、
側にいて語りかけてくれるような文章が、
心に、す~っとしみこむ本。

なので、
ホッとして、
そしてまた元気になれるんです。

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きょうの禅語 心が元気になる30の禅メッセージ

先日、マツバラリエさんに、サンフランシスコでお会いする機会がありました。
透明感をもった、とても素敵な女性。
絵本作家のリエさんは、ワインのコルクを使った芸術作品も手掛けています。
(リエさんのHPはこちらをどうぞ♪)

このコルク・アート、手に取った感じが格別。
思いのほか軽くてフワッとした感覚。
そしてコルクの暖かさと優しさが伝わってきます。
眺めるだけでなくて、手に触れて楽しい、素敵なアートです。

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普段、何気なく捨ててしまっているコルク。
こんな風に、アートに再利用されるたコルクは、幸せ者ですよね。
コルク冥利に尽きると思います(笑)。

さて、このコルク、最近ではプラスチック製のものや、スクリューキャップが
代わりに使われているボトルをよく見かけます。
長い間、ワインにはずっとコルクが使われていたのに、
なぜ最近、代替用品をみかけるようになったのか?
書きあがり次第、UPしてみたいと思います☆

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by sfwinediary | 2009-11-15 06:24 | 日記
先夜、フレンチ・ワイン・ディナーに呼ばれていったブレイク。
行先は、サンフランシスコのレストラン、クインス(Quince)。

私は家でお留守番。
私的には、夕食作らなくて済んだので、それだけで大万歳だったのだけれど、
自分だけご馳走を食べて悪いと思ったのか、お土産を持ち帰って来た。

カヌレ、フランスの焼き菓子。

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ボルドーの修道院で、古くから作られているという、歴史のあるお菓子。
外側がカリカリで、中がモチモチした食感☆

ボルドーの伝統的なワイン製法では、ワインの澱を取り除くために、卵白が使用されますが、
残った卵黄を無駄なく使うために、考え出されたお菓子だそうです。

そういえば、先日同僚に借りた「大使閣下の料理人」でも
コンソメを澄ませるために卵白を使って云々…という件がありました。

ワインの澱を除くために、卵白が使われているなんて、ちょっと不思議な感覚。
樽の貯蔵庫での、卵白を使った澱引きの様子は、冬のボルドーの風物詩のようですが、
昔ながらの手法が消えてしまう前に、一度見てみたいものです☆
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by sfwinediary | 2009-11-13 07:36 | ワインの雑学
ワインメーカーの、デニス・マルベックご夫妻 (Denis & May Malbec) は、
元フランス、シャトー・ラトゥールのワインメーカー。
2000年カリフォルニアに居住の地を移し、現在、ナパやソノマを中心に活躍中です。

10月末のある夜、新進のワイナリー、Caputureの夕食会で
お会いする機会がありました。
その日、食卓に饗されたのは、マルベック夫妻の造った、
ソーヴィニョン・ブランとカベルネ・ソーヴィニョン。

明日が収穫最終日という会話から、夕食会は和やかにスタート。
Captureがブティック・ワイナリー(小規模)ということもあり、
「世界でたった一つしかない味を、作り出したかった」
という、マルベック氏。
ハウエル・マウンテンの高地で獲れた、こだわり葡萄を使っています。

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デニス氏(フランス風発音だと、ドニ氏でしょうか)は、ボルドー生まれのフランス人。

父のジャン・ノエル・マルベック氏と祖父のカミーユ・マルベック氏は、
シャトー・ラトゥールの、セラー・マスターとヴィンヤード・マネージャーとして活躍。
シャトーで生まれ育った息子のデニス氏も、
94~99年まで、ラトゥールでワイン造りに携わりました。

彼がよちよち歩きを始めたのは、シャトーのセラーの樽につかまりながら。
自転車に乗る練習は、ラトゥールの葡萄畑のあぜ道で…。
ラトゥールのファンには、何とも魅力的な環境です☆

そして2000年からは、このカリフォルニアの地で、
コンサルタント・ワインメーカーとして、活躍し始めます。

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面白かったのは、夫妻の造ったカベルネ・ソーヴィニョン。
アルコール度が13.5%と、CA産にしてはとても低くおさえてあるのです。

日差しの強いカリフォルニアでは、どうしてもアルコール度が高くなってしまいます。
手っ取り早くアルコール度を低くするには、削減技術を使うといった手段がありますが、
氏に言わせると「エレガントではない」との事。
濾過(ろか)する際に、様々な要素を失ってしまい、味も落ちてしまうので好ましくないそうです。

そこで氏が使っている方法は、なんと、「水撒き」。
もちろん、ただガムシャラに撒いていたのでは、葡萄が水っぽくなってしまいます。
(降雨量の多い日本のワイン葡萄の、辛いところですね☆)
1週間ごとに、今週は何ガロン…という風に、天気や畑のコンディションによって
緻密に水の量を調整するそうです。

気の遠くなるような、大変な作業ですが、その甲斐あってでしょう、
カリフォルニア特有の、とてもフルーツ風味に満ちたカベルネなのに、
アルコール度が低いので、飲みやすい、魅力的なワインに仕上がっています。

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しかし、残念ながら、アメリカ消費者のトレンドは、
ビッグで、アルコール度の高いワイン。
繊細で低アルコールのワインを好む人々は、まだマイノリティー(少数派)です。

「誰も買わなかったら、自分で買って飲むわ」
とおっしゃるのは、奥様のメイ。

メイ・マルベック女史は、ワインメーカーになる前は、
著名なソムリエとして欧州で大活躍。
1995年に世界ソムリエ・コンクールで田崎真也氏が優勝した時に、
なんと、審査員を務めていたんですって☆
日本にも行ったことがあるそうで、とても素敵なヨーロピアン女性です。

「フランスは規制が厳しく、使えるブドウ品種も地区によって
決まっているけれど、その点カリフォルニアは自由。
ワイン造りも、フランスのように世襲制ではなく、
ビジネスとして選べば、誰でも参画できるのが、CAの良さ。
この地には、ワインに対する情熱が感じられるし、好機もあるわ。
もちろん、危険なことでもあるけれど。」
と、語ってくださいました。

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御免なさい、焦点が~☆もっと美しい写真は、こちら

「今日飲んでも美味しい、でも5年10年後にも楽しめるワインを造りたい。
ハッピー・ワインがハッピー・ワインメーカーを造り、
そして、ハッピー・ワインメーカーが、ハッピーなワインを造るのさ」
と仰る、マルベック氏。

「まさに、ワインを造るために生まれてきたような名字ですね」
と、ブレイクが言ったところ、
「そうなんですよね~」と笑っていました☆

ご夫妻は、現在Paradise View Wines等、10のワイナリーで、コンサルタントをしています。

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by sfwinediary | 2009-11-11 03:53 | ワインメーカーのお話
最近のオーガニックブームに乗って、実に多くの“オーガニック”なワインを
店頭で見かけるようになりました。

でも国によって、表示は様々。
いったいどこを見て選べばいいの?と思われる方も多いのでは。

アメリカで "Organic" とボトルに書かれているワインは
基本的に3種類。
これさえマスターすれば、自分の生活スタイルに合ったワインが選べます♪

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★ アメリカではUSDAの規定により、ラベル表示は次の3種類があります。

1) 100% Organic ・・・ 無農薬栽培の葡萄を100%使い、
製造過程でも、全てオーガニックの原料を使用したワイン。
もちろん亜硫酸は一切使われていません。
(保存がききませんので、買ったらすぐ飲んでしまいましょう☆)

2) Organic ・・・ 無農薬栽培の葡萄を100%使用。
Sulfur dioxide(亜硫酸)は使いませんが、
オーガニックではない酒石酸等成分がごく微量使われています。

3) Made with organic grapes ・・・ 葡萄はもちろん無農薬栽培のものを使用。
しかし微量のSulfur dioxide(亜硫酸)を、製造過程で使っています。

(注:最近では、100% 以下の場合でも、葡萄の使用割合の詳細を表示すれば、
“Made with organic grapes”と名乗れるようです。)



★ 一方ヨーロッパの場合、アメリカのUSDAほど厳しくないので、
アメリカで云う所の3番目と同じ、無農薬栽培の葡萄を使っていれば、
「オーガニック・ワイン」と表示できます。
ほとんどのヨーロッパ産の「オーガニック」と謳われているワインには、
Sulfites(亜硫酸)が入っています。


このように、一口に「オーガニック・ワイン」と表示されていても、
国によって規定が違います。
オーガニックと書かれているから、亜硫酸無添加だろう…という認識は、
改める必要があります。

また、日本での表示は、かなり曖昧なようなので、
宣伝文句に振り回されないようにご注意を☆

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さて、我が家の場合、アメリカの“100%オーガニック・ワイン”には、
あまり食指が動きません。
なぜなら、「これは!」と思わせてくるものが極端に少ないから。

でも、無農薬栽培の葡萄を使ったワインは、大歓迎♪
ワインの味は、何といっても葡萄が決め手ですよね☆

ナパやソノマを旅する時、葡萄と葡萄の間のあぜ道に注目してください。
農薬を使った葡萄畑は、ペンペン草も生えていませんが(例えが極端すぎ?)、
無農薬の葡萄園では、春先など、綺麗な花が見られます。

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ところで、このオーガニック栽培の葡萄ですが、
USDAに申請すると、お高い申請料を取られます。
そして、許可が下りたとしても、“オーガニック”表示をしたかったら、
毎年更新する必要があります。
その更新料も、かなりの値段なので、農家にとっては負担…。

結果、小さなヴィンヤードでは、「そんなお金払えないわ」という事で、
無農薬栽培をしているにもかかわらず、表示を選択しない所もあります。
(アメリカっぽい反骨精神の現れもあるのかな?)

こればかりは、表示もなく、宣伝もないので、ヴィンヤードに行く機会でもなければ、
消費者としては、知り様がないのですが、
そんな場合もあるんだな…という事を、頭の片隅に
入れていただければいいなぁと思って、書き添えました☆

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注)文中に、オーガニック・イーストというくだりを書きました。
工場で栽培されているイースト(コマーシャル・イースト)に対して、
自然に葡萄畑などに生息しているイーストという意味で使ったのですが、
誤解を招くようなので、省きます。

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by sfwinediary | 2009-11-06 08:58 | ワインの雑学
オーガニック野菜、オーガニック果実、オーガニック・ミルク等々、
オーガニックという言葉に、目が無い我が家。
化学肥料で育てた、非の一点もない美しい野菜と、
ちょっと虫食い跡があっても、有機農法で育てた野菜が並んでいたら、
間違いなくオーガニックを手に取ります。

理由は、ちゃんと“味”があるから。

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でもね、それがワインとなると、話はちょっと違います。

アメリカ連邦法では、「オーガニック・ワイン」と表記するためには、
Sulfites(亜硫酸)を、いっさい添加できません。

でも、この亜硫酸は、ワインの新鮮なフルーツ風味を保存する上で、
とっても重要な存在。

亜硫酸が入ってない、いわゆる“オーガニック・ワイン”達は、
味の劣化が早いうえ、
ボトルの中でバクテリアなどが繁殖しやすい環境にあるため、
開栓したら、全然飲める状態でなかった…なんてことも、
結構な確率で起こります。

どうしても亜硫酸無添加を飲みたかったら、造られてすぐのものを
早いうちに飲みましょう。
長期保存なんて、考えないほうが無難です。

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『ワインを飲むと、頭痛がするのよね~』、と思われている方は、
試しにドライフルーツを食べてみて下さい。
保存のために、ドライフルーツには、ワインよりも遥かに多量の亜硫酸が使われています。
ドライフルーツを食べても、頭痛が起きなかったら、
ワイン頭痛の原因は他にあるものと思われます。
(水分補給を、きちんとしていますか?)

『フランス産の“オーガニック”表示ワインだと、頭痛が無いのよね~』、という方。
やはり頭痛の原因は、亜硫酸ではないと思われます。
ヨーロッパの規定は、アメリカと違います。
「オーガニック・ワイン」と表示された欧州ワインには、
亜硫酸が含まれています。

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そもそも、亜硫酸が含まれていると言っても、人体に影響のないホンの僅かの量。
しかし亜硫酸が一方的な「悪者」として、取り上げられてしまった故に、
未だに多くの人に誤解されているのは、とても残念な事です。
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by sfwinediary | 2009-11-04 05:40 | ワインの雑学