カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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日本の受けた大災害に、日本を愛する多くのアメリカ人も心を痛め、
何とか支援したいと、自分達の出来る事を一生懸命に模索しています。

ワイン・ライターのW. ブレイク・グレイも義援金集めのイベントに奔走すると共に、
「日本酒を飲んで、日本の復興をサポートしよう」という呼びかけを始めました。



Drink Sake Tonight: A casual benefit for Japan
--by W. Blake Gray
日本酒を飲む夜:日本をサポートする小さな運動

日本の復興をサポートするために、我々に出来る小さな一歩を、ここに提示しようと思う。
全てのワイン愛好家に呼びかけたい、
『来週、3月25日(金)、ワインの代わりに日本酒を飲もう』と。

これが支援にどう繋がるかって?
日本酒は、日本の伝統を代表する産業の一つ。
しかし多くの酒蔵は小規模経営だ。
日本の経済停滞が予測される今、国内での贅沢品の販売は苦戦を強いられるかもしれない。

そこで、我々に出来る事が、プレミア日本酒を飲む事。
一晩でもいいから、我々アメリカのワイン愛好家が日本酒を飲む事が、
日本のビジネスを、そして酒蔵をサポートする事に繋がると思う。

JETRO(日本貿易振興機構)の知人に聞いた所、今回の地震と津波で、
多くの酒蔵が被害を受けたという事だ。
我々が日本酒の知識をアメリカで広め、日本の酒蔵を支援する事で、
彼らの、そして僕らの士気を高めたいと思う。

一人ひとりの力は小さいけれど、皆が集まれば大きな動きとなる。
皆さん、3月25日(金曜日)、日本酒を飲みましょう!

既に、多くのワイン・ライター、フード・ライター諸君に声をかけている。
残念ながら、僕らにはヘリコプターも給水車も無い。
なので、ほんの小さな運動だけれど、出来る事をして、少しでも役に立てたらと思う。
是非、皆さんの友人・知人にも伝えて下さい。

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ブレイクの呼びかけに、SFクロニクル紙のボネ氏、Vinographyのアルダ―氏を始め、
アメリカを代表する多くのワイン愛好家たちが、一人でも多くの人にこの運動を知ってもらおうと、
“Drink Sake Tonight”キャンペーンの輪を広げています。

岩手県の酔仙の社長さんが、災害で辛い事になってしまった蔵をさて置いて、
まず社員の方々の安否を気遣われるご様子、
埼玉に避難された方が「笑って酒を飲めるようになったら…」と、
家族や友人の心配をしながら目を赤くされているインタビューを
NHKニュースで見ました。

お互いを思いやる気持ちが、日本という国の底辺を支えているのだと思います。
思いやりの心を盃に込めて、世界各地にお住まいの皆さん、
3月25日(金)に日本酒を飲みましょう!

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by sfwinediary | 2011-03-21 07:58 | 日記
罪悪感にかられて日々を疎かにしないでください。
不謹慎という言葉を恐れて人を笑顔にするのを忘れないでください。
どんな仕事であれいつもと同じ事を淡々と続ける事が日本の力になります。


アスリートの為末選手のツイートだそうです。
驟雨さんのブログから、転載させていただきました。
遠く身は海外にあり、何も出来ない自分に歯がゆい思いの中、
この言葉を読んで母国の為に何をなすべきか、改めて背を押された思いです。
(驟雨さん、ありがとうございます。)

幾つもの募金方法がありますが、ベイエリア在住の方は、
SF総領事館に小切手を送る方法もあるので、こちらに添付します。


在サンフランシスコ日本国総領事館からのお知らせ
***************************
以下へアクセスいただいても内容を確認できます。
http://www.sf.us.emb-japan.go.jp/top.htm

東北地方太平洋沖地震(義援金・総領事館震災支援口座の開設について)
平成23年3月15日

このたびの東北地方太平洋沖地震に関しては、多数の皆様からの暖かいお見舞いのメッセージとさまざまな形での支援の申し出を当館にいただき、心よりの感謝を申し上げます。日本政府としても、日本の被災地域の一刻も早い復旧・復興のために、地域住民、国民ともども全力を尽くす考えで、当館としても可能な限りの支援を行いたいと思っております。

1.現在、当館宛にカリフォルニア州ネバダ州の多数の個人・団体より義援金受付の御要望が寄せられております。これらの多くの皆様の強い要望も受けて、当館に、本15日午前9時より「東北地方太平洋沖地震」被災地に義援金を受付けるための特別口座(下記)を開設いたしました。義援金の受付方法は、次の2通りです。なお、義援金は日本赤十字社宛に送金する予定です。

(1) 当館への小切手(チェック)の送付
● 小切手宛先: Consulate General of Japan
● 送付先 : Consulate General of Japan in San Francisco
(Attn: Japan Earthquake Relief Fund)
50 Fremont Street, Suite 2300, San Francisco, CA94105

(2) オンラインバンキング等(Union Bank 義援金受付口座への入金)
● 口座名 : Consulate General of Japan
● 口座番号: 1040037760

<備考>
当館の義援金受付は、上記方法のみで、現金は受付けておりません。

2.以下の団体等でも義援金受付を行っており、右基金への送金も可能ですので、以下の受付先も併せご紹介させていただきます。ご検討の上ご活用いただければ幸いです。(組織順不同)

米国赤十字社Japan Earthquake and Pacific Tsunami
http://american.redcross.org/

日本赤十字社によれば、義援金を「日本の赤十字に贈って欲しい」旨指定して米国の赤十字に提供すれば、米国の赤十字社はそれを日本赤十字社に送金する体制となっているとのことです。

ジャパンソサエティ JSNC Japan Earthquake and Tsunami Relief Fund
http://www.usajapan.org/

北加日本商工会議所(JCCNC)
http://jccnc.org/

以下の要領で、チェック郵送にてご送金が可能です
(JCCNCより、まとめて米国赤十字社に送金予定)。
宛先等:「American Red Cross」宛て。
目的欄「Japan Earthquake and Tsunami Relief」と記載下さい。
送付先:JCCNC事務局 1875 South Grant Street, Suite 760, San Mateo, CA 94402

北カリフォルニア日本文化コミュニティー・センター(JCCCNC)
Northern Japan Earthquake Relief Fund
(詳細はhttp://jcccnc.org )
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by sfwinediary | 2011-03-15 10:38 | 日記

世界一のワイン輸出大国はフランス?イタリア?
もっともバブリーを消費しているパーティ上手の国はどこ?

Vinexpo が第14回世界のワイン&スピリッツ市場調査における調査結果を
先月(2011年2月)発表しました。
ブレイクの分析を和約しましたので、お楽しみください☆


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Fun numbers: Statistics on wine drinking worldwide -- by W. Blake Gray

<ワイン生産国 トップ10>

世界で最もワインを多く生産した国は、フランス。
極差でイタリアが2位を確保。3位はスペイン、4位はアメリカ合衆国、5位はアルゼンチン。

驚くのはチリ、南アフリカ、ドイツと言った国々を抑えて、
中国が7位に浮上している事。豪州はわずかの差で6位。

上位から順に、フランス、イタリア、スペイン、アメリカ合衆国、アルゼンチン、
豪州、中国、チリ、南アフリカ、ドイツ。

<スティル・ワイン消費国 トップ10>

大いにスティル・ワイン飲んで1位の座についているのはイタリア。
2009年にフランスを抜いたアメリカは今回も2位。
(Vinexpo の予想では、2014年にはイタリアを抜いて1位になりそうだとか。)

ここでも中国が、スペインを抜いて7位に浮上。

世界的なワイン消費は2005年以降、全体で4.5%上昇しているものの、
嘗ての消費大国である、スペインとフランスでは消費が落ちているのは面白い傾向。

3位フランス、4位ドイツ、5位英国、6位アルゼンチン、7位(香港も含む)中国、
8位スペイン、9位ロシア、10位はなんと、ルーマニア。

<スパークリング・ワイン消費国 トップ10>

中国は未だスパークリング・ワインには目を付けていない模様。
一方でパーティ上手なのは東欧諸国。

トップから、ドイツ、フランス、ロシア、アメリカ合衆国、イタリア、
英国、スペイン、豪州、ウクライナ(驚き!)、そして10位はポーランド(!!)

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<ワインの値段>

2009年に世界で消費された71.4%のワイン、1本当たりの値段は何と$5(米ドル)以下。
そして21%は$5~10の間。
という事は、2009年に買われたワインのうち、$10以上だったのは
全体の7.6%のみ☆ 
(日本の消費者は価格引き上げに大いに貢献していそうです…)

<ワイン輸出国 トップ10>

輸出では、やはりフランスが大きな差をつけて、輸出金額では1位。
輸出量ではイタリアが1位。
アメリカは輸出量では7位、金額では6位につけています。

輸出額は上位から順に、フランス、イタリア、豪州、スペイン、チリ、
アメリカ合衆国、ドイツ、アルゼンチン、ポルトガル。

<アメリカへの輸出国 トップ10>

アメリカで消費されている72.3%のワインは、アメリカ国内産。
しかしながら2005年(72.6%)よりも、少しだけではありますが数値を下げています。
消費面では2005年以降、9.76%という上昇率を示しています。

米国内では、豪州ワインの市場崩壊がささやかれてはいるものの、
Ozは未だにアメリカで第2位の海外供給者の地位を維持。
1位はイタリアですが、豪州の米国への輸出量はここ4年間、着々と増えています。

注目筋はアルゼンチン。2005年から09年までに、ドイツ、スペインを抜き、
5番目の供給国となっています。

上位からイタリア、豪州、フランス、チリ、アルゼンチン、
スペイン、ドイツ、ニュージーランド、南アフリカ、ポルトガル。

<アメリカ・ワインの輸入国 トップ10>

アメリカ・ワインのお得意様は、ダントツで英国が1位。
2位のイタリアに比べると2倍ほどの輸入量です。
お隣カナダは3位で意外と低いのですが、ここ4年の伸びは50%と
目覚ましいものがあります。もうすぐ2位を獲得しそうな勢い。

注目は香港と中国への輸出の伸び率。
ここ5年でアメリカ・ワインの香港への輸出量は10倍、
中国大陸への輸出量は5倍も上昇しています。
しかしそれぞれ6位と7位で、両者を合わせても、5位の日本には未だ及びません。

上位から順に、英国、イタリア、カナダ、ドイツ、日本、香港、中国大陸。

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以上、ブレイクの世界ワイン番付記事のでした。

一方、スピリッツではアジアの消費量は40.6%でダントツ一位。
アメリカ大陸で25.3%、欧州が24.2%、その他9.9%。
ハードリカーの約半分は、アジアで消費されているんですね☆

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by sfwinediary | 2011-03-09 08:42 | ワインの雑学
普遍的であるべき、ヴィンテージ評価。
しかし、ナパの2007年カベルネ評価において、WS誌は高得点を付けすぎたようです。
果たして07年のナパ・カブは、本当に99点の価値があるヴィンテージなのか?
ブレイクの評論を和約しました。


Wine Spectator got the 2007 Napa Cab vintage wrong - by W. Blake Gray

ワイン評論家が、個別のワインにつけた点数。
彼の意見に賛同しようとしまいと、『その評論家の判断は間違っている』
と言うのは不可能だ。
何故ならば、J “feed me” M氏がそのワインを完璧だと考えるのならば、
誰が何を言おうとも、彼の決断は変わらないからだ。

しかし、これがヴィンテージ評価となると、話は違ってくる。

もしも或る雑誌が20XX年の○○地方のワインは99点であると評価するのならば、
それは個人的な評価では無く、普遍的な意見であるべきだ。

そう考えると、ワインスペクテイター誌はナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニョンの
2007年ヴィンテージを評価し損ねたと言えよう。

アメリカをリードするこの雑誌は、2007年のナパ・カブに99点を付けた。
しかしこの評価は間違っている。
そしてそう思うのは、僕一人では無い。

今週のNYタイム紙の記事でアシモフ氏がナパの07年ヴィンテージについて書いているが、
彼を筆頭として、同じように考えるワインライターは多数存在する。
先週、世界3カ国から集まったワインライター達と意見交換の機会があったのだが、
僕らの多くが、2007年のナパのカベルネは、その前後の年に比べて劣ると感じている。

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先週、プロのワインライターの為のシンポジウムと、プルミエ・ナパ・ヴァレーが
開かれた、その参加者達は金曜日の朝、ナパのヴィンテージを比較するのに
最高の環境と言えるブラインド・テイスティングに招待された。

会場に用意されたのは36個のデキャンタ。
12種類のナパのカベルネが、それぞれ2006年、07年、08年と並んでいる。
ワインを選んだのは、この地を代表するワインメーカー達による審査団。
そのワイン・リストは、こちらの12種類。

Alpha Omega, Bennett Lane, Chimney Rock, Honig, Mi Sueño,
Oakville Ranch, Peju, Provenance, Rocca, Shafer, Sterling, Titus


これらのワインを選んだ25人の代表団は、思うに、古典的なナパのスタイルと
テロワールを体現するワインを選んだに違いない。
(何処でも作れる、熟成し過ぎの、フルーツ爆弾風味のワインでは無い。)

テイスティングに望んだのは、アメリカを代表するワインライターだけでなく、
イギリス、カナダのトップ・ワインライター達。
(会場では、英国人Oz Clarkeが、西カナダを代表する評論家Anthony Gismondiと
討論を広げ、それをワイン・エンスージアスト誌のエグゼクテブ編集Susan Kostrzewaが
横から支援する…という図が、見られた。推して知るべし。)

別の言い方をすれば、ブロガーとトゥイーターの寄り集まりでは無く、
プロ中のプロの味覚を持ったグループだ。

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僕が3セット目のワインに取りかかろうとした所で、あるイギリスの評論家が、
「2007年のナパでは、何が上手くいかなかったのかしら?」と問うてきた。
僕にも原因は分からないと告げると、彼女は、
『07年は薄っぺら(hollow:中身が空洞)』だと評した。

彼女を皮切りに、多くの評論家と情報を交換したのだが、退室するまでに、
2007年ヴィンテージの擁護者は見つけられなかった。
いたとしても、少数派だったはずだ。

Travel & Leisure誌のBruce Schoenfeldは、後日『06年の方が断然良かった。08も。』
とトゥイートしている。(他者のコメントは、メモしなかったので此処では挙げない)

12のワイナリー中、2007年も良かったのはBennett Laneのみ。
他は皆、2006年と2008年に比べると、明らかに2007年は劣っていた。

では、何故WS誌は、この2007年ヴィンテージに99点を付けたのだろうか?
99点も獲得したヴィンテージならば、我々全員が感嘆したはずでは?

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ワインのプロならば、皆、何を持って優れたヴィンテージと呼ぶのかを理解している。
ヴィンテージの評価方式は、ヨーロッパの長い歴史の中で培われて来たもので、
一日一夜にして定義づけられたものでは無いからだ。
フランスの2005年のヴィンテージが、典型的な良い例だろう。
僕は依然、彼の地でボルドー右岸のワインをテイストする好機を得たけれども、
全てのワイナリーに於いて、2005年のヴィンテージは際立っていた。

そもそもワインスペクテイター誌がヴィンテージを100点評価方法で
評価しようとしたのが間違いだったと言える。
でも、今日それを此処で論じるつもりはない。

得点、星数、色別、方法は何でもいいのだけれど、ワインスペクテイター誌が
2007年のナパのカベルネに、殆ど満点に近い評価を下したのは、“間違い”。
あまりにも“正しくない”評価だ。

これは初めての事ではない。
同誌は嘗て、1997年のヴィンテージに98点を付けている。
97年の多くのワインは締りが無く、熟成し過ぎで、とっくに飲み頃ピークを過ぎている。
一方で、前後の96年と98年は、現在でも美味しく飲める。
まさに10年前、今回と同じ現象が起こったのは面白い。
97年はWS誌好みのスタイルだった故に、高得点がつけられたと見受けられるが、
2007年についても同様だろうか?今の所、それは不明だ。

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ワイン・エンスージアスト誌では、評論家が95点以上の高得点を付けた場合、
編集者は『gotcha tasting(いざテイスティング)』というステージを設け、
Steve Heimoffが、理由もなく高評価し過ぎていないかをチェックする。
彼が健在な所を見ると、このgotcha tastingシステムは、上手く稼働しているようだ。

ワインスペクテイター誌が同じシステムを取っているのかは不明だし、
まぁ、僕としてはどちらでも構わない。
何故なら、彼らの評価は一貫性に欠けるし、個人の好みからすると役立たずだから。
(彼らの評価は、まさに自分の好みと一致するという方も多いでしょう。
そこは個人の嗜好次第。)


でも、ここで僕が言いたいのは、ワイン雑誌の編集者は、
WE誌が呼ぶ所のgotcha tastingを必ず行うべきだと思う。

セレブな著者は貴重だし、獲得するのは大変なので、
既に自誌で活躍しているライターを大切にするのは良く解る。
しかし、世界3カ国から集まった40名以上のリーダー的ワイン評論家を始め、
ナパ・カベルネのヴィンテージ評価を行った人々の多くは、別の意見を持っている。
そして僕らに賛同する読者は、けっして少なくないと思う。

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以上、ブレイクの記事、WS誌2007年ナパ・カベルネ評価を誤る、でした。

WS誌の高得点により2007年のナパのカベルネ・ソーヴィニョンの価格は上がりそう。
でも、本当にその値段に値するワインなのでしょうか?

あなたがフルーツ爆弾風味の、ビッグでボールドなワインがお好きならばともかく、
良いカベルネが持つべき複雑さ、奥の深さを望むのでしたら、
WS誌の評価を鵜呑みにして、2007年のボトルに高値を払うのは、
ちょっと考えた方が良いかもしれません。

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by sfwinediary | 2011-03-04 05:11 | ワインの雑学
先日、サンフランシスコのインディ映画祭で上映された『Food Stamped』。

ベイエリア在住のカップルが、一週間の食費$50で、
健康的な食生活が出来るか否かを問いかけるドキュメンタリー映画。

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アメリカでは現在、8人に1人が貧困層に位置付けられている。
低所得者には政府からの食糧費補助対策があり、フードスタンプはその一つ。
収入によって受給額は、一ヶ月で$10~200。
大人2人の場合、平均で1週間に$50程の食費援助を受けている。

一方、3分の2のアメリカ人が、太りすぎだと言われているが、
貧困と肥満、この国で両者は表裏一体だ。
映画『スーパーサイズ・ミー』で証明されたように、ファスト・フードを食べ続けると、
偏った栄養とカロリー摂取過多で、健康に深刻な害を及ぼす。

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コーンシロップ(HFCS)等の台頭で、食品会社の純利益はアップしたが、
それに伴って、人々のウエストラインもアップしている。
(HFCSの過剰摂取は、肝臓に負担がかかり糖尿病等の原因となる。
砂糖などに比べて、体内で分解されにくいと言われている。)

フィルム制作者の調査によると、ここ数年
ジャンクフードの値段は5%ほど減少しているが、
野菜などの健康的な食品の価格は20%も上昇している。

アメリカでは大恐慌以降、小麦、トウモロコシ、コメなどの穀物には、
政府から多額の補助金が出ていて、結果、価格が低く抑えられている。
一方で、野菜などには補助金が出ない為に、無農薬栽培ブロッコリー一束が
ファスト・フードのハンバーガーよりも高くつく、というのが現状だ。

補助金を得ている大型農家は肥え太り、献金などで共和党の政治家に影響を及ぼし、
結果、アメリカ議会で旧態依然の農業補助金制度が見直される可能性は、無きに等しい。
ドキュメンタリーには何人かの政治家も登場するが、みな民主党。
二極化が進むアメリカの現状が、こんな所にも顕著に表れている。
(アメリカの過度な農業補助制度は、国内のみならず世界に波紋を投げかけている。)

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シーラは、ベイエリアの公立小学校で料理クラスを通じて、
子供たちに健康的な食生活のすそ野を広げる活動をしている栄養士。
パートナーのヨアブは独立系映画の製作者。

映画では、特に貧しいウエスト・オークランドで進められている野菜作り、
ヘイワードの小学校で使われている、糖分控えめのシリアル朝食、
サンタフェのファーマーズ・マーケットで導入されている、
フードスタンプのクレジット化(これにより、新鮮野菜をフードスタンプで購入できる)
等の活動が紹介されている。

子供が健康的な食生活を送るには、まず親の教育が大切、という事で、
シーラは親の為にも教室を開き、どのように野菜を料理して、
経済的&健康的な食事を作れるのか、啓蒙活動を続けている。

先に人々の食生活に大きな波紋を投げかけたドキュメンタリーに『映画Food Inc..』があるが、
こちらはその一片を消費者の目線で追ったものと言える。

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映画Food Inc. の詳細

さて、一週間を$50の食費で乗り切ったシーラとヨアブ。
最後に献立を研究所に持ち込んで、判断を仰いだ所…。

色々と工夫してはいるけれども、結果的には少々不足。
一般的な大人は1日2000カロリー必要な所、
二人の食事はそれには少々及ばず1700カロリー前後。
週の後半にヨアブが食後に見せた『もっと食べたいな~』な表情が印象的だったはず。

二人は超健康的な路線で一週間を過ごしたけれど、
もう少しカロリーの高い食品を合わせれば、
$50で十分健康的、且つ必要カロリーの摂取が可能であることを証明してくれた。

バランスのとれた健康な食生活は、元気の基本。
啓蒙活動のすそ野が広がって、夕食はハンバーガーにフライドポテトとシェイク、
なんていう環境に置かれている子供が少しでも減るといいのですが…。

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2人が買った一週間分の食材リスト一覧表。
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by sfwinediary | 2011-03-01 08:25 | 映画