カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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<   2011年 06月 ( 5 )   > この月の画像一覧

ミッシュランガイドの2つ星に輝くレストラン、サイラス (Cyrus)。
オーナー・シェフのダグラス・キーン氏は、親・日本料理派で有名ですが、
彼がヒールズバーグに新しくオープンしたのが、ステーキハウスShimo。

開店前、HPに載せたメニューの値段に“高すぎる”との声が上がり、
急きょ変更した…なんて話も小耳にはさんだ、話題の店。
Shimo (おそらく霜降から来ているのかな)では、ステーキの他に、
とっておきラーメンも楽しめます☆

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実は、先日Thomas George Estateワイナリーを訪問した際、
元サイラスのバーテンダーScott Beattie氏の店、スプーンバーに行こうと、
ヒールズバーグの街中をブラブラと散策していた所、
Shimoの店先で、4種類のスープのラーメン・メニューを発見。

ラーメンにうるさいブレイクが、「日本で真剣なラーメン屋は、
4種類ものスープを造らない」とコメントしたのを、
たまたまOpenの看板を下げに来たランチ・シェフが聞き咎め、
「美味しいから試してごらんよ」と、店に招き入れてくれたのです。

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店内はカジュアルで落ち着いた、カリフォルニアン♪な内装。
『霜降』の漢字が目に飛び込みます。
既にランチタイムを終えた3時過ぎだったので店内は関係者だけ。
バーに座を占めた私達に、マネージャーらしき女性が色々と説明してくれました。

もともとは、夕食時にバーで出していたラーメンなのですが、
好評なのでランチ・スペシャとして扱い始めたとの事。
スープは、醤油、味噌、ジンジャー紫蘇、そしてベジタリアンの4種類で、
麺は、ラーメンか蕎麦から選べます。

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テイスティング用なのに、お洒落☆

ベジタブル・スープ:野菜だけなのにとっても深い味。
リークを使っているとの事で、ホンノリ苦みが感じられます。
野菜だけでこんなに美味しいスープが出来るなんて、さすがキーン氏・

オリジナル(醤油)スープ:チキンと野菜をふんだんに使い、12時間煮込んだスープ。
日本人の舌には、ちょっと甘く感じられるかも。

ジンジャー・シソ(生姜紫蘇)スープ:とってもユニークな風味。
紫蘇の香りが強く、ラーメンの麺より、蕎麦に合いそう。

味噌スープ:とっても上品で、マイルドな味噌風味。
赤味噌と白味噌を合わせて使っているそうです。

試飲させてくれた事に感謝を表し、翌日の再訪を約束して、
この日はShimoを後にしました。

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ジャ~ン、翌日、よく晴れた日曜日。

近くに住んでいたら、毎日でも通って飲みたいスプーンバーのカクテル。
せっかくソノマまで足を延ばしたので、この日も朝からカクテルを賞味。
そしてホロ酔い気分になった所で、2軒先のShimoへと向かいました。
(あぁ、六本木界隈で飲んで、恵比寿界隈でラーメン食べた、懐かしい日々よ…)

ブレイクは、オリジナル・ラーメン、私は味噌ラーメンを所望。
残念ながら、こちらでは麺を造っていないそうで、麺は普通。
でも、スープはとっても美味しく頂きました。

この店で絶対に見逃せないのは、ポーク・チャーシュー。
肉厚のポーク($4.50)は、お洒落な皿に盛りつけてソースをかけたら、
サイラスの前菜にでも出てきそうな感じ。

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また、ハマチの刺身が、と~~~っても美味。特別なソースが、
魚臭さを抑えながら、ハマチらしさを引き立てています。
小さなアラレが添えてある辺りがカリフォルニア料理、面白い歯ごたえでした。

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ソノマの新鮮野菜を使った漬け物も、美味しいのでお勧めです☆

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で、この日は、スプーンバーのオーナースコット氏も、ヘルシーに蕎麦ランチを食べていて、
ブレイクとのラーメン談義、カクテル談義に花が咲いたのでした☆
ダグラス氏もTシャツで店内を歩き回っていました☆
(ヒールズバーグは小さな街なので、1ブロック歩けば、知り合いに合う確率高し☆)

お腹がいっぱいになった後は、フライング・ゴートの厳選コーヒーで一息。
お洒落なカフェはあちこちにありますが、コーヒーの味で選ぶならば、
絶対に Flying Goat Coffee がお勧めです☆

日本とは違った味わいの、カリフォルニア料理を手掛ける2つ星シェフのラーメン。
前夜にサイラスで食べ過ぎたから、ランチは和風にしたい…なんて思われる方、
是非Shimoのラーメン、お試しあれ☆

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そしてカクテルもお忘れなく☆
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by sfwinediary | 2011-06-22 06:27 | 気になるレストラン
サンフランシスコを脱出して、ミニ休暇。
そんな時、ソノマのロシアンリバーを旅先に選んでは如何でしょうか。

先週末、トーマス・ジョージ・エステート・ワイナリーを訪ねてきました。

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トーマス・ジョージ・エステート(Thomas George Estate)は、
カナダの若きイケ面オーナーJeremy Baker氏が、ソノマに展開するワイナリー。
元は、ロシアンリバーにおけるピノ・ノアールの先駆者として有名な
Davis Bynumとして知られていた、Westside Road沿いの歴史あるワイナリーです。

美味しかったのは、スパークリング、そしてBaker Ridge Vineyardのピノ、
中でもBackbone Block, Baker Ridge Vineyardのピノ・ノアールは、一押し。

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ケーブを利用したテイスティング・ルームは、毎日オープン(11AM – 5PM)。
テイスティング料金は5種類で$10。
アポイントメントによるテイスティング(5種のピノ&スナック)は$20。
前庭には、可愛いピクニックエリアがあるので、サンドイッチ持ち込んで、
TGで買い上げたお気に入りワインをお供に、ランチを楽しむのも乙かも。

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このワイナリーにはゲストハウスもあり、週末のGetawayにピッタリ。
食材を持ち込んで、TGピノを飲みながら、友人達とワイワイBBQグリルで夕食を用意、
夜更けてからは、裏庭にあるホット・タブに浸かって、
TGのバブリーを片手に、ワインカントリーの星空を楽しむ…。
至福の時です。
(ワインクラブ・メンバーになれば、宿泊料金が50%オフになるそうです☆)

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小鳥のさえずりで目覚めたら、ワイナリーの駐車場から小道を登って
ヴィンヤードを散歩。
美味しいピノ・ノアールがすくすくと育つ、Backbone Blockの端からは、
ご近所であるロキオリのヴィンヤードを始め、遠くロシアンリバーの葡萄畑が見渡せます。

都会の喧騒を離れて、ゆっくりと流れる時の中、葡萄畑を眺める…。
ワインカントリーのプチ旅行、たまには良いものです♪

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2009 Thomas George Estates Pinot Noir, Brut Rosé,
Amber Block, Starr Ridge Vineyard($50)

2008 Thomas George Estates Pinot Noir, Backbone Block,
Baker Ridge Vineyard ($60)


ワイナリーの名前の由来を聞いたら、
お父さまと、おじい様のお名前からつけたんですって☆

ジェレミー氏は、現在37歳で独身。トロントなどに9つのレストラン事業を展開中。
彼自身はベジタリアンだそうですが、料理は大得意だそうです。
ワイナリーイベントに参加したら、彼の手料理が賞味できるかも♪

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6月18日はSFのフォートメイソンでPinot Daysイベントが開かれます。
Thomas Georgeも参加するので、機会があったらブースで味見してみてください☆

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by sfwinediary | 2011-06-15 07:54 | ワイナリーのお話
これは先日、飲茶仲間と共にしたランチの席で、ブレイクが披露してくれた話です。

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"News flash: Spiders can get drunk!" –By W. Blake Gray

僕は先日、ルクセンブルグのワイナリーを訪れる機会を得た。
しかし、同行したメディアの中に、ワインメーカーに“インタビューする”のではなく、
多くのブロガーと同様、自分の事ばかりを語りたがるフランス人記者が一人いて、
ちょっと我々の仕事の障害となっていた。

最後に訪れたワイナリーで我々が試飲できたのは、1時間でたったの4種類。
それもこれも、フランスでのピノのあり方、フランスでのピノの将来性、
夫と彼女の意見の違い等々、彼女がピノ葡萄についてのウンチクを、
余すところ無く、ひとり滔々(とうとう)と語ってくれた故だった。

静聴する間、僕は一匹の虫に気が付いた。
それはスピットバケッツを、なんとかよじ登ろうとしていた。
僕の小指の3分の2ほどの大きさで、黒い体に下アゴだけがちょっぴり黄色だった。
いったい何の理由で下アゴが黄色いのだろう?なんて思いつつ、
同行記者の自分語りに飽きていたので、僕はその虫に注意を向けることにした。

虫がスピットバケッツの天辺に登って来ると、間近に観察できた。
(カメラに収めるには小さ過ぎたので、写真は無しです。)
羽根でも隠していないか、もうちょっとよく見ようと思ってペンでつついた所、
味見後のワインで満たされたスピットバケッツの中に、誤って落としてしまった。

ごめん!虫よ。

虫はものすごい勢いで足をバタつかせて、何とか側面につかまろうとした。
しかし、なかなか足場が掴めずにいる。
僕はあわてて紙の端きれをちぎると、ワインの海から彼を救けだした。

でも救助が少々遅すぎたようだ。
その物体は手足を長く伸ばしたままピクリとも動かない。
この時、8本足である事を確認し、この虫が蜘蛛である事を確信した。

罪の意識を感じながら、周りを見回したけれど、ゴミ箱が見当たらない。
仕方ないので、彼をテーブルに置いたまま、
“インタビュー”が面白くなっていないかと、会話に注意を向けてみた。
進歩なし。
そこで、再び蜘蛛を見ると…
足が動いている!よかった、生きている!

蜘蛛はゆっくりと右側を持ち上げて一歩進み、その場にへたってしまった。
どうやら酔っぱらっているみたいだ。

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そのうちに再び足を持ち上げて、よたよたとテーブルの端に向かって歩き始めた。
机の端にたどりつくと、下を覗き見、どうにかして、
この痛ましい場所から逃げ出そうと考えたようだが、
「駄目だ、まだ出来ない」と思い直したようで、後進し始めた。

しかし、またまた考え直した蜘蛛は、糸を紡ぎながら、そろそろと机を降り始めた。
そして、どうしたものか、身体の3倍ほどの長さにまで糸を伸ばすと、
逆さま状態で停止した。
手足をおもいっきり伸ばしている様は、まるで僕が酔っぱらって、
ソファに大の字になっている姿そっくりだ。

逆さまにぶら下がる…。
ひょっとしたら、二日酔いから脱出するための、偉大なる方法なのかもしれない。
僕は密かに、このネタが次のスパイダーマンの映画に使えないものだろうか…と考えた。

そして驚くべく結末。
このポーズを何分間か取った蜘蛛は、酔いから立ち直ったようで、
なんと、机を登り、再びスピットバケッツへと向かい始めたんだ。

擬人化すると、アルコールを求めて再び…なんて考える所だけれど、
おそらくこの蜘蛛は本能に従っていたのだろう。
彼は多分、葡萄畑に生息する蜘蛛で、
下アゴが黄色いのは葡萄の色を模していたのだろう。
(ルクセンブルグで栽培されているのは97%が白葡萄です。)

これが僕と蜘蛛のルクセンブルグ物語。
その後、もう2,3種類を試飲をして、僕らはこのワイナリーを後にした。

同行記者が、彼女の夫がオニオンタルトを食べる時、
そのタルトに使われている胡椒の量と、ピノ・ノアールの熟成度にもよるけれど、
ピノ・ブランよりもピノ・ノアールとのペアリングを好んでいる事、
とはいうものの、昨今フランスでは、どこもかしこもピノ・ノアールを栽培しているので、
フルーツ風味が強すぎるきらいがある事、そうなったらピノ=ブルゴーニュでは
無くなってしまう事、でもやっぱりブルゴーニュはスタンダードである事、
ブルゴーニュは現在、土地を認定する上で法律上、様々な困難に面している事、云々…
などと語らっていた傍らで、僕が掴んだ、大スクープ。

蜘蛛はワインで酔っぱらう!!!

皆さんご存知でした?

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ちなみに、蜘蛛がカフェインやドラッグの影響下にある時、
こんな風な蜘蛛の巣を作るそうです☆


この話が披露されたのは、インナー・サンセット地区にある南海漁村海鮮茶寮
ここで絶対に見逃せないのは、スペシャル・ティー。
目の前で旗袍に身を包んだ少姐が、お茶セレモニーを展開してくれます☆

ブレイクの英文オリジナル記事は、こちらからどうぞ☆


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by sfwinediary | 2011-06-11 07:52 | 日記
料理とワインのペアリングには、2つの両極端が存在します。

一つは、グルメ雑誌の記事に代表されるような“完璧なペアリング”主義派。
『このレシピには、ソーヴィニョン・ブラン、それも絶対に
フランスのロワール産を合わせなくてはダメ!』と謳った記事を目にしますが、
このような場合、彼らの言い分は、どんなに美味しくでも新大陸のSVでは役者不足。

そしてもう一方は、“何でもOK”派。
『もしもあなたが飲みたいのがカベルネ・ソーヴィニョンならば、
一緒に食べる料理が何であろうとも、関係無し。
たとえ食卓に乗っているのが、シンプルに蒸した蟹であろうとも、
自分の心に従って、カベルネを飲めばいいのです』…といったもの。
こちらの場合、蟹のデリケートな風味は、二の次。

両者とも、気持はわかるのですが…。
でも“完璧な組み合わせ”なんて、誰が決めるの?
また、この食材にこのワインは絶対に合わないなぁ…という組合せも確かに存在します。

理想的なのは、極端に走らない、その中間。
何故なら、多くの料理は、なかなか幅広いバリエーションのワインと合うからです。

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例えば蟹だったら。
シャルドネ、ヴィオニエ、日本酒、ピノグリ、リースリング、ミュスカデ…等々、
ペアリングを楽しんでみたいリストは、なかなか長いもの。
反面、マルベックやシラーと合わせるのはご法度です。
(何故合わないのか?百聞は一見に如かず。疑問に思われた方は、一度お試しください☆)

世間によく聞くステーキのペアリング相手は、カベルネ・ソーヴィニョン。
でも、そんな既成概念を吹っ飛ばしてくれたのは、フロリダ州タンパニある
老舗バーンズ・ステーキハウス (Bern’s Steak House) 。

この店でソムリエDixon氏が勧めてくれたのは、ピノ・ノアール。
ブルゴーニュの繊細なワインは、バーンズの厳選された肉、
そしてそれ故に、とてもシンプルなステーキにピッタリでした。

横道:バーンズでは、自分の好きな部位の牛肉を頼めるのですが、
風味を大切にする方々へのお勧めは『Delmonico』。
リブ・アイ(Rib-Eye)と呼ばれるこの部位は、上質な脂肪分に富み、
もっとも甘くて汁気に富んだ肉。
フランスの繊細なピノ・ノアールをお供に、大変美味しく頂けました。


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さて、レストランで頼んだ料理に“完璧”に合うワインを探そうと思っても、
料理に使われている塩加減や調味料を、サーバー氏にいちいち聞き出すのは大変。
また、仮に料理をイメージ出来たとして、
店のワインリストを見ただけで、全てのワインの味を思い出せる?
ワインは樽で熟成しているの?しているとしたら、どのくらいの期間?
などといった情報は、例えiPhoneがあっても、その場で全て探し出すのは至難の業。

また、一生懸命に探した結果、“このリゾットにはバローロが相性バッチリ”
なんて答えが出ても、店にバローロが無かったら?
そもそもバローロが嫌いだったら?どうしましょう…。

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ちなみに、CIAのヘッド・ソムリエ、トレーシー女史の話では、
人生を変えるような素晴らしいペアリングに巡り合える頻度は、
彼女の場合、1年に一度あるか無いか…ぐらい。
記憶に残るペアリングに出会えるのは、ひと月に1度ほど。

ワインが勝っても、料理が勝ってもならず、あくまでも彼女が求めるのは、
ワインと料理が互いに引き立て合うペアリング。
カリフォルニアでも最高の料理とワインに囲まれる彼女にして、この頻度。

料理とワインのペアリング世界は、ミステリアスで、豊富な経験値が必要。
プロのチームが選んだコースペアリングの場合でさえも、
『完璧さ』に出会えるのは、ごく稀な事。
逆に言えば、それだからこそ、皆が追い求めて止まないのかも知れません。

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・・・で、何が言いたいの?
いや、あの、ワインの世界は、奥が深くて面白いなぁ…と。

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by sfwinediary | 2011-06-09 07:02 | 日記

近年、ウナギ登りのワインのアルコール度。
中には表示を見るだけで、飲むのを躊躇してしまいそうなワインもあります。
面白いリサーチ結果が発表され、ブレイクが分析しています。
オリジナルの記事はこちらからどうぞ☆


Alcohol in wine: increasing in every country - by W. Blake Gray

近年、ワインのアルコール度が上がりつつあるのは、何も新しいニュースでは無い。
しかし、僕がここで伝えたいのは、5月25日に発表されたリサーチ調査で、
その傾向が、世界中で体系的かつ普遍的であるという結果が出た点だ。

調査結果によると、世界中のワイナリーが、ラベルのアルコール度を、
実際よりも低く表示している。
近年、多くの消費者が、がっしりとした(Boldな)ワインを求めているのに対して、
ワイナリー側では、ラベルの表示を低くした方が、より多くの販売に繋がると
考えているのは面白い。

また、往々にして高アルコール度で、やり玉に挙げられるカリフォルニア・ワインだが、
過去20年間の上昇率は、世界のメジャーな生産地の中では、一番低い。

この調査結果は、American Association of Wine Economistsと
UCデイビスの4人の研究員が共同で発表したもので、
Liquor Control Board of Ontarioが1992年以降に輸入した、全てのワインに含まれる、
実際のアルコール度を調べたデータを使用している。

この調査結果には、実に面白いデータが山盛りなので、幾つか要約してご紹介しましょう。

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* 世界中で起きている、ワインに含まれるアルコール度の上昇率、
地球温暖化だけでは説明しきれない程、その進み方は急速だ。

* 幾つかの地域では、トレンドに逆行し、1992年以降のアルコール度が下がっている。
仏ブルゴーニュ(白・赤)、米オレゴン州(赤)、伊ピエモンテ(赤)、
米ワシントン州(赤)といった顔ぶれだ。

オレゴン州の赤ワインは下げ率が一番大きいのだけれど、もしかしたら葡萄種類が
変わった為に起きた変化かもしれない。残念ながら、そこまでの詳細は述べられていない。
ピエモンテとワシントンの下げ率は、微々たるものだけれど、
このご時世では特出していると言える。
そして、ブルゴーニュときたら、善哉!

* アルコール上昇率が最も高かったのは、いずれもマイナーな地域。
加ブリティッシュ・コロンビア州と、CA, OR, WA州を除いたアメリカ。
マイナーさ故に、ワインの熟成度を追求したのだろうと容易に推察される。

* 有名どころでは、仏ラングドック、ローヌといった地域で、
赤ワインのアルコール度が最も増している。
白ワインでは、両者に加えて、ピエモンテも顔を揃えている。

* 国別では、チリ・ワインが最も急速にアルコール度を上昇させている。
続くスペインや南アフリカは、数字でかなり引き離されている。

一方、1992年当時に平均13.5%で最も高かったアメリカは、
その後の上昇率は世界で一番低く抑えられている。
片や、フランスの上昇率は、アメリカの約3倍にも及ぶ。

* 言われる前に書くけれど、この調査の欠点は、1992年以後、
平均アルコール度を公表していない事。
また、毎年のパーセンテージの変化、成長率、後退の分析、対数などなど、
学術的ではあるけれど、ジャーナリストの書いたものでは無い点。
(こうやって僕が要約して、良かったでしょう?)

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* 全ての国で、表示されている数値は、実際のアルコール度よりも低かった。
赤ワインで不正確さが最も顕著だったのはスペインで、誤差でアメリカが続く。
白ワインでは、アメリカとチリが共に並んで、不正確さで世界を牽引している。

* 称賛されるのは、ポルトガル。
白・赤ワインどちらも、表示と実際の数値は近似だった。
ポルトガル・ワインが愛されるべき理由の一つだろう。
ニュージーランドも、赤ワインの誠実さで2位につけたが、
白ワインでは誤差がやや大きく、南アフリカと2位タイとなっている。

* さて、研究では、良く解らない統計学を使って、
各国の『望まれるアルコール度』なるものを推測している。
恐らく、実際のアルコール度と、表示アルコール度の差異から、
ワイナリーが考える“消費者の願うアルコール度”を割り出したのでもあろうか。

『"desired"数値』は、僕の目にはかなり低く映る。
赤ワインでは、世界平均は12.98%。アメリカでは13.21%。
これもこの研究の欠点と見うけられるが、思うに、$7の大量生産ワインと、
$30の丹精込められたワインを、一緒くたに見なした結果なのかもしれない。

* 1992年の赤ワインにおける、平均アルコール度は、オーストラリアが最も高くて14%。
ワラビーの毛、一本の差で、2位のアメリカ(13.99%)を抜いた。
一番低かったのはカナダの12.8%、フランスが13.1%でそれに続いていた。

* 最後に、あまり語られる事が無いけれど、アメリカのホット・スポットをご紹介。
1992年以来、アメリカの白ワインのアルコール度は、平均13.66%で、
2位につけたチリ(13.45%)を引き離している。
一方で、愛すべきポルトガルの白ワインは12.33%、続いてイタリアが12.39%。
低アルコール度のワインが、なかなか見つからないと、嘆く方々への朗報です。

覚えておいて下さい。アメリカで高アルコール度注意報を要するのは、
ジンファンデルよりも、実は、シャルドネだって事を。

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以上、ブレイクの分析でした。
調査結果の数値を見ていると、自分なりの面白い発見があるかもしれません。
ブレイクの英文オリジナルの記事はこちらからどうぞ☆

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by sfwinediary | 2011-06-03 07:40 | ワインの雑学