カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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カリフォルニア・ワイン界の重鎮、ピーター・モンダヴィ・Sr.氏が、
第6回Vintners Hall of Fame (ワインの殿堂)に選ばれました。

兄である故ロバート・モンダヴィ氏が選ばれたのは2007年。
今回は、97歳になる弟のピーター・モンダヴィ氏が名誉に輝き、
2月20日にCIAで開かれた授与式には、モンダヴィ一族が集いました。

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ピーター・モンダヴィ氏(左)とブレイク。97歳でとってもお元気☆

今回の授与式で、ピーター氏の紹介役を務めたのは、ロバート氏の未亡人
マーガレット・モンダヴィさん。

ロバートとピーター氏と言えば、60年代の若かりし頃に殴り合いの喧嘩をして
その後、長らく不仲だったのは周知の事実。
(モンダヴィ家の光と影の物語は、こちらのブログ記事をどうぞ☆)

しかし、2006年初頭には再び寄り添う兄弟の姿が見かけられました。
ロバート氏が亡くなる前には、二人が揃ってワインをプロデュースしています。

一族が揃ったのですから、ピーター氏の息子であるピーター・モンダヴィ・Jr.氏が
父君を紹介する事も出来たのですが、マーガレットさんが代表したのは意義深い事です。

「私にとって、一番嬉しかったのは、家族が再び一緒になった時でした。
ピーター、これは貴方に言ってるのよ。
再び共にワインを楽しめるようになったのは素晴らしい事です。」

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マーガレット・モンダヴィさんの感動的なスピーチに盛り上がる会場☆

ピーター・モンダヴィ氏は、外交的なロバート氏の陰に隠れがちでしたが、
彼もまた、カリフォルニア・ワイン造りの大切なパイオニアの一人です。
例えば、彼が躍進させた冷却固定(Cold Stabilization)により、
我々は今日、爽やかで果実風味に富んだ白ワインを満喫できるのです。
(冷却固定:発酵を終えたワインを 低温下に置き、意図的に結晶を起こさせる)

ブレイクがチェアマンになって以来、VHFでは現在活躍中のワイン関係者が
一人でも多く賞を受けられるよう、心を配ってきました。

過去の功績も大切ですが、現在活躍しているワイン界の人々が賞に輝く事により、
世間の注目を集め、ワイン愛好家のすそ野を広げる事が出来るからです。
受賞者の皆さんもこれを機会に益々精進する事でしょうし、
何よりもカリフォルニア・ワインのスター達に、こうやって授与式でお目にかかれるのは、
ファンにとっては嬉しい事です☆

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第6回で選ばれたジョエル・ピーターソン氏。いつも優しい紳士☆

さて、これまでCIAナパ校を改革し、前進させてきた、
Vintners Hall of Fameの生みの親でもあるReuben Katz氏が、今年退職されました。
どうもありがとうございました☆ I won't be alone in missing him.

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by sfwinediary | 2012-02-23 07:44 | ワインなイベント
バレンタインデー。2月14日に繰り広げられるのは、
もはやロマンスでは無く、ビジネスなのは周知の事実。
そんな中、ワインも例外ではありません。

チョコレート味のワイン、甘~い赤ワイン、超安価なマスカット、等々、
甘あまワインが脚光を浴びる時。
風味付きの日本酒は、この日30%も販売が伸びるとか…。

アメリカで売られているワインの61%は$7以下の安価なワイン。
$10以上のワインは全体の20%程だそう。
そしてこれら安価なワインが一気に販売を伸ばすのが、
バレンタインの様なイベント日という訳です。

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最近アメリカでホットなのは、マルベック(Malbec)。
そして樽で熟成しないタイプのシャルドネは、なんと2倍もセールスが伸びたそう。

カリフォルニア州で栽培されている殆どの葡萄は、これまで生産者の名が
ボトルに載る事も無い、安いバルクワインとして売られてきました。
でも、ここ2年ほど不作が続いたので、今年は葡萄の値段が上がるかもしれません。

安い葡萄の産地として知られていたセントラル・ヴァレーでさえも、近年では
アーモンドなどの値が上がった為、今では事前に契約の上で葡萄栽培をするのだとか。

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さて、最近、不足がちな葡萄として名が挙げられるのは、メルロー。
映画Sidewaysの後、この葡萄を新たに植える栽培者は減ったものの、
未だに消費者が買い続けている葡萄品種。
メルローは、ブレンド・ワインでも大きな役割を果たしています。
なので需要が落ちないんですね。

ジンファンデルも不足がち。というのも、近頃人気の甘~いワインで使用されるから。
熟成したジンファンデルは、フルーツ風味と糖分に富んでいる故なんですね。

一方でピノ・ノアールは1本$10で売られる、安価なプライベート・ラベルに登場。
というのも、メルローの大量買いが困難になった為。
またSideways影響で、猫も杓子もピノを植えたしわ寄せがきている感も。
ピノのバルクワイン、ちょっと高級感がありますよね。

2年連続の葡萄不足の為、これまで$10に設定されていたワインは、
今年(2012年)には$12程に値が上がるものと予想されます。
また、$15で売られていたナパのカベルネ、しばらくは姿を消すかもしれません。

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何時もは雨の多い12月から2月にかけての北カリフォルニア、
例年になく晴天続きでした。

今日は雨がちらほらしてますが、水不足が懸念されています。
今年の秋の葡萄、どんな収穫高になるのでしょうか。気になります☆
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by sfwinediary | 2012-02-14 09:38 | 日記
不況に悩むアメリカ。
CA州では財政難から、2013年までに34,000人の服役囚を解放する計画です。
最高時には202%にものぼる服役囚を抱えた州では、環境を改善する為に、
来年までに刑務所の収監率を137.5%まで下げる予定だとか。
なので、よほどの凶悪犯で無い限り、泥棒くらいでは直ぐに釈放される可能性が大。

…って事は、今世紀に入って最悪のワインを巡る犯罪人、Mark Christian Andersonは
2月7日に言い渡された、27年の刑を終える前に、釈放されてしまうかもしれません。

ベイエリアにお住まいの皆さんは覚えておいででしょうか?
7年前にVallejoで起きた倉庫の火事事件を。
幸いにも人的被害は出ませんでしたが、この火事で被害を受けたワインの総額は
100億円以上。
例えばRealm Cellarsは、創設時からの全てのヴィンテージを失ってしまいました。
(事件の詳細はブレイクの記事をご覧ください)

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Julie Johnson, with co-worker Arturo Soriano, fears Tres Sabores vineyard lost 2,400 cases of Cabernet Sauvignon and Zinfandel. Chronicle photo by Frederic Larson

検察側はアンダーソン被告に11年を求刑、そして彼が受けたのは27年の懲役刑でした。
現在63歳のかれは2007年から服役していますが、刑期を終えるのは90歳の予定。
この火事で人的被害は出ませんでしたが、これだけ長い刑期が言い渡されたのは、
ひとえに彼の態度の悪さ。
しおらしかったのは裁判の始めのうちだけ。途中から弁護士を非難し、
ありとあらゆる健康問題を持ち出して、なんとか罪から逃れようとしたのです。

アンダーソンの経歴は自称、ロックグループの元マネージャー、元相撲レスラー、
そして留守番メッセージの発明者。どれも嘘八百。嘘で固めた人生でした。

そんな彼がターゲットにしたのは、ワインの収集家達。
コレクター達に、甘い言葉で自分が管理すると持ちかけて、貴重なワインを集めます。
そしてそれらのワインを転売して私腹を肥やしていたのです。

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例えば、3人の収集家が1990年ラフィット・ロートシルトを預けたとします。
アンダーソンはその中の2本を売るか、自分で飲んでしまいます。
(失われたワインがどのように消えたのか、彼は未だに口を閉ざしています)
収集家Aがラフィット・ロートシルトを呼び戻したら、手元に残った1本を持参。
もしも収集家BやCもラフィット・ロートシルトを呼び戻した場合には、
別の新しい収集家が、同じワインの保管を依頼する事を天に祈る…という仕掛け。
しかし、こうした自転車操業は、やがては顧客の知る所となります。

アンダーソンが初めて横領罪に問われたのは2004年。
翌年の時点で、彼は10の横領罪に問われており、被害総額はおよそ1億円にも上りました。
しかし、彼は保釈金を支払って釈放されます。

追いつめられたアンダーソンが取った手は、唾棄すべき行為でした。。。
2005年の10月、事実を隠ぺいするために、倉庫に火を放ったのです。

倉庫では訪問者の来歴を記録しており、アンダーソンは即刻、第一容疑者となりました。
この自暴自棄の社会病質者による、とんでもない行為により、破壊されたワインは6万本。
あたら貴重なワインが露と消えてしまったのでした。

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Insurance adjuster Richard Reimche inspects a rollup door which was apparently blown out from the intense heat in the fire at the warehouse. Chronicle photo by Paul Chinn

この事件から間もなく、ブレイクと共にショーン・サッカリー氏の元を訪ねました。
その時、当時この倉庫に保管していた為、火事に遭い売れなくなってしまった
マグナムのサンジョベーゼのボトルを頂きました。
現在、このワインは、とあるSFの倉庫でこんこんと眠りについています。

悪い奴のとばっちりを食らって、再び炎に曝される…なんて悪夢が
二度と起こらないといいのですが。

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Blake と ワインメーカーSean Thackrey 氏
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by sfwinediary | 2012-02-09 07:59 | 日記
Concours Mondial de Brazil(ブリュッセル国際ワインコンクール-ブラジル)の
審査員として、2011年秋、ブラジルに招かれたブレイク。
2本のブラジルワインにまつわる、旅先での忍者クエストの様子を綴っています。
お楽しみください☆ オリジナル英文はこちらからどうぞ♪


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羊たちの後ろに広がるのは葡萄園☆ Blakeが撮ったお気に入りの一枚です

My ninja quest for two great wines from Brazil - By W. Blake Gray

と或るパーティ会場。
僕は一所懸命にワインボトルの山をかき分けていた。

周りに響くのは、ワイングラスの触れ合う音。
聞こえてくるのは、フランス語、ポルトガル語、スペイン語で談笑する人々のざわめき。
しかしそんな中で僕は一人、顔をしかめながら、只ひたすら、次から次へと
ボトルを持ち上げては下ろし、持ち上げては下ろす…という行為に専念していた。

何故って?
コンクールで試飲したワインの中で、2番目に美味しいと思ったワインを探していたんだ。

欧州をリードするブリュッセル国際ワインコンクールの一環である、
Concours Mondial de Brazilの審査員として、僕はブラジルを訪れていた。
審査はブラインド形式で行われ、審査後のパーティでも結果は未だ発表されていなかった。

僕が審査中に気に入ったワインは2本、カベルネ・フランとヴィオニエ。
しかしブラインドだったので、その時点で分かっていたのは葡萄の品種のみ。
お気に入りの2本を探し出そうと、僕は頑張っていたってわけ。

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カベルネ・フランは簡単だった。
審査したカベルネ・フランは3種類のみ、その内2009年ヴィンテージは1種だけ。
それさえ判れば、後は楽勝。3つの大テーブルに所狭しと並ぶ300本以上のボトルの中から、
お目当ての1本を探すだけだ。
例えボトルが空になっていようと、どのワイナリーの手によるものかすぐ判る。

問題は2010年のヴィオニエだった。この条件に合うのは3本。
実際に味を確かめないと、どの1本だったのか永遠に分からなくなってしまう。

おまけにこれらの3本は、人々が盛んに手を伸ばしているテーブルに置かれているらしい。
もしも誰かがこのボトルを発見したならば、忽ち人の手から手に渡り、
あっという間に空になってしまうに違いない。

皆さんは、プロのワイン飲み達が、優れたワインに手を伸ばす有様を
ご覧になった事があるだろうか?
それはまるでパタネグラ豚に食らいつく、ピラニアとでも形容しようか、
「う~ん、美味しいね。あれ?もう空っぽなの?」という感じ。
そしてこの会場は、プロのワイン飲み達で溢れているときている…。
僕は焦った。

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さて、その時の僕は、あるアドバンテージを握っていた。
全てのワインボトルは、必ずしも開栓されてはいなかった。というのも、
パーティ主催者は、会場に未開封のボトルを運び込んだばかりだったのだ。
そして多くのソムリエ資格者達が丸腰の中、僕はコークスクリューを持参していた。
そもそもこのパーティに出席したのは、この2本のワインを探すのが目的だったので、
あらかじめ“コルク抜き”で武装していった…というわけ。

20分程ワインの山と格闘した時点で、2010年のヴィオニエを2本探し出していた。
両方とも未開栓だった。
ボトルを鷲掴みにするや否や、僕はこっそり人気のない片隅に持って行き、
期待しながら栓を開けた。しかし、すぐに違うと分かった。
どちらも僕の追い求める1本では無かった。

ちょうど2本目を試飲していた時、一人のフランス人審査員が「何飲んでるんだい?」
と聞いてきた。僕のフランス語に対する認識では、彼は、『パーティの最中、
こんな片隅に隠れて、いったい何やってるんじゃい?』と問いたかったのだろう。
あくまでも推測だけど、そう事実と遠くないと思うな。

幻のヴィオニエを求めて、僕はテーブルからテーブルをさまよい続けた。
何度も何度もチェックした。でも、何処にも見つからない…。

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しかし、遂に夜明けは訪れた!
テーブルの上に無いので、人々が談笑しながら手にしているボトルに目を凝らした所…
あったーーーー-!
そのボトルは、ある審査員の手に握られていた。

僕は高級レストランの給仕よろしく、彼の後ろにピッタリとついた。
ヨガのマウンテン・ポーズで立ち、次にどんなアクションでもとれるよう準備した。
・・・。
審査員がちょっとだけボトルをテーブルに下ろしたその瞬間、
僕はボトルをすくい上げ、まるで忍者の様にその場から姿をくらました。

ワインの名はCampos de Cima Da Serra RAR Collezione Viognier 2010
ブラジルでは、25レアル(約US$14)で売られている。

僕は大好きだったのだけれど、コンクールでは銀メダルだった。
製造者はMiolo wine group、ブラジルでも最大級規模のワイナリーの一つ。
でも何よりもこのワインで興味深いのは、ヴィンヤードだろう。

この葡萄は、ブラジルでもっとも成功した起業家でありワイン愛好家の
Raul A. Randon氏が植えた畑で収穫された。
ブラジルで世界クラスのワインを造ろうと思ったら、
そう、一から、葡萄の栽培から始めなけらばならないのだ。

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「世界クラスのワインを造るのは、ラウール・ランドン氏の夢でした」と語るのは
Mioloのワイン醸造家Daniel Alonso氏。
ランドン氏はブラジル南西部にある、雨が少なく乾燥していて、夏暑く、
昼夜の寒暖差が激しい、標高1000メートルの遠方地に葡萄園を切り開いた。

「ブラジルの葡萄栽培では雨が問題となります。葡萄園は250キロも遠方にありますが、
彼の地は特別なのです。」とアロンゾ氏。

ワインは12カ月間フレンチオークで醗酵されるが、樽味はごく上品に現われている。
好ましい新鮮なドライアップル風味と、フローラルな香りを持つ。
口当たりは芳醇だが、酸味が心地よい後味を残してくれる。
アルコール度は13度。世界クラスのワインで、評価は91点といった所だろうか。
この味で24レアル(約1100日本円)は買い得だろう。
僕が見る所、多分このワインで利益は出ていないんじゃないかな。
でも、彼の夢、世界クラスのワインを醸造するという点では成功したのだから
ランドン氏としては、善しとする所だろう。

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もう1本の、僕が一番好きだったワインは金メダルをとった。
親愛なる審査員の皆さんも僕と同じ意見だったんだね。

Pequenas Partilhas Serra Gaúcha Cabernet Franc 2009は、素晴らしい
ジューシーなカベルネ・フラン。ダークなプラム、ダーク・チョコとハーブの香り。
酸味が豊富でバランスのとれたワイン。
ブラジルで最大のAuroraが1200ケース造ったので、比較的見つけ易いはずだ。
残念ながらAurora関係者と話す機会が無かったので、語るべき背景物語は無い。
まぁ恐らく、再び飲める機会も当分は無いだろうしね。

いずれにしろ、ブラジルワインの将来の可能性を考える時、
僕はこの2種類のワインを忘れる事は無いだろう。

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以上、ブレイクの記事の和訳でした。
オリジナルはこちらからお楽しみください☆


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by sfwinediary | 2012-02-01 09:54 | ワインなお話