映画 MILK
2009年 01月 30日
フィルム・ノアール作品を見に。
先日見た1940年代の作品 Alias Nick Beal の中で、
若い女性が知事候補に対して
If you feel gay, you should wear a gay tie. と言うセリフがあった。
日本語だと「明るい気分に合わせて、ネクタイもカラフルなものを選びなさいよ」
という感じかな。Gayのもともとの意味は、愉快な、とか楽しいとかいったもの。
場所が場所だっただけに、劇場中で大爆笑。
時代が変わり、今やGayという単語は、もっぱら同性愛者という意味で使われている。
劇場があるカストロ地区は、同性愛者の住処として有名な街。
ここで去年、映画MILKのSFオープニング上映が行われた。
ハーベイ・ミルク氏は、1977年にSF市の市会議員に当選。
同性愛者であることを公言して、公職選に当選した初の人物で、
映画では、同性愛者の権利を求める運動の先駆者となった彼の姿を
ショーン・ペンが素晴らしく演じている。
劇中のあちこちに、カストロの様子が映し出されていて、見終わった後、
「ここだよね、そこだよね」なんて言いながら、Blakeと辺りを散策してみた。
(18thと、カストロ通りの角にあるバー、Harvey’sの名前も納得☆)
彼がキャンペーンの拠点としたカメラショップは、今ではもうない。
通りを挟んだ近所のリカーショップはそのまま存在しているけど、名前は違うみたい。
せっかくなので、キャンペーン拠点のすぐ隣にあるレストラン、
アンカー・オイスターで、映画について語りながら、遅い夕食を食べた。
在りし日のカメラショップ&ミルク氏
この映画では、70年代の同性愛者に対する差別が、思ったよりひどかったことを
改めて認識した。いわれのない暴力等々。
そしてSFでは、つい忘れてしまいがちだけれど、全米各地では、
まだまだクローゼットに隠れたまま、少数派であるがゆえに
困難に立ち向かわなければならない人々がいること、
ミルク氏が先頭に立って始めた闘いは、現在も続いているのだと実感した。
カリフォルニア州でさえ、同性結婚を廃止するための住民投票
「プロポジション8」では、過半数が賛成し、残念な結果になってしまっている。
極端なリベラル派のように、夢見て生きられるとは思わない。
多数派に属することによって、自らを高みに置いて悦に入るつもりもない。
ただ、彼らが少数派であることで、法的に得られるべき恩恵を
受けられないのは、不当だと思う。
ミルク氏の死を悼む、人々のホワイトマーチ★
さて、MILK氏を選出した地元カストロ劇場で映画をご覧になりたい方は
2月22日(日)から、26日まで上映されます♪