マダム・クリコ シャンパンにささげた生涯
2009年 04月 03日
ヴーヴ・クリコを世界的なメゾンに育て上げた女性、
マダム・クリコの物語。
彼女の残した手記等は少ないので、周りの人々の証言などにより
彼女の人生をつづっている。
なので、読みにくいって言えば、ちょっとスローな内容かも。
The Widow Clicquot:
The Story of a Champagne Empire and the Woman Who Ruled It
この本をナナメ読みして、おもしろかった2点。
彼女の成功の鍵の一つは、当時、誰もが四苦八苦していた中で、
透きとおったシャンパンを、いち早く造ることができたこと。
秘密は、ボトルの回転☆
バブリーの製造過程で、ピュピートル(pupitre)と呼ばれる
穴のあいた台に、ボトルの頭の方を下にして差し込み、
数週間の間、毎日少しずつ回転させる作業があって、
ルミュアージュ(remuage)と呼ばれる。
これを考案して、率先したのがマダム。
今では、ジャイロパレットと呼ばれる機械が導入されているけれど、
いまだ、手作業で作られているバブリーもあって、
自然、値段に反映されているのではないかしら?と推測。
毎日、ホンの少しずつ、ボトルを回転させることで、澱(オリ)を取り除き
クリアな美しいバブリーが生まれるんですね~。
秘密の澱抜きを考案した、未亡人(ヴーヴ)クリコに乾杯♪
もう一つ、面白いなと思ったのは、彼女は28歳で未亡人になってしまったのだけれど
当時フランスでは、女性が働くなんて、もってのほか。
でも、未亡人という身分は特別。
男性と並んで、社会的に働くことが認められていたようです。
(生計を立てるため?)
ということは、旦那様が長生きしていたら、偉大なシャンパンメゾン
ヴーヴ・クリコはこの世に存在し得なかった?
歴史の面白さがここにあります☆