オーガニックなたまご 値段の差は味の差?
2009年 09月 16日
鶏が自由に走り回れる、ケージ・フリー飼育を謳ったものや、
とっておきのベジタリアン餌で育てた鶏が産んだ、オメガ3入りのもの、
などなど。
あまりに種類が多すぎて、どれを選べばいいのか迷ってしまうほどです。
価格も、12個入りで$2.50ほどから、$7.50と3倍もするものまで様々ですが、
値段の差は、果たして味の差として、如実に現れるのでしょうか?
さて、この12個入りで$7.50という目の飛び出るような値段の卵は、
サンフランシスコの北東、ナパの東にある、Vacavilleにある農場、
Soul Food Farm(ソウル・フード・ファーム)の卵。
この農場の存在を知ったのは、SFクロニクル紙に掲載された
ある記事がきっかけでした。
もとシェパニーズのシェフ、クリストファー・リー氏が独立して
バークレーに開いた、レストランEccolo。
地元で採れた、新鮮なオーガニック素材の食材のみを使い、
従業員に穏当な給与を支払うという、理念のもとに経営していたものの…
この不況で、採算が取れず、
閉店という悲しい結果を迎えることになってしまいました。
レストランが閉店するということは、従業員は勿論のこと、
契約農家、清掃業務の請負店などの仕事が無くなり、
近隣に与える影響も、決して小さくありません。
25年物のバルサミコ酢を15年物に代え、
臓物料理は人気が無いために、豚を丸ごと買うのを止め、
泣く泣くソウル・フード・ファームの卵をあきらめて、
その他、経費を詰められるだけ、切り詰めたのですが…。
不況という激流には、抵抗できなかったのでした。
(以上記事の要訳です)
アメリカを襲った不況の影響で、ベイエリアのレストランは皆、生き残りに必死。
一つ、また一つと、信念を持ったレストランが倒れていく様を見るのは、
辛いものがあります。
スー・シェフ、Samin Nosrat氏が書いた記事は、とても訴えるものがあります。
難しくないので、よろしかったら英語の勉強がてら、読んでみてください☆
さてこの記事の発表から、時を経ずして、
ソウル・フード・ファームに、思わぬ災難が降りかかります…。
なんと、隣家で発生した火事が、農場の鶏小屋に飛び火して、
約1000匹ものヒナが、命を失ってしまったのです。
しばらくは手に入らないのかしら?と懸念していたのですが、
近所のオーガニック店BiRiteで、農場の卵を売っていると聞き、
買いに駆けつけました。
さっそく目玉焼きにしてみました。
確かに美味しいけれど、果たして他のオーガニック卵と比べたらどうなのでしょう?
そこで、Rock Island (約$3) と、Soul Food Farm ($7.50)の卵を、目玉焼きにして
2日間食べ比べてみました。
黄身の色と艶は、ソウル・フード・ファームの卵の勝ち。
黄身の味は、ソウル・フード・ファームがやや濃いめでしっかりしている。
白身の味は、ロックアイランドの方が美味。
という結果。
2倍以上の値段を支払う価値があるかというと…、そんなに目の飛び出るほどの
違いがある…というわけではありませんでした。
卵を買う上で一つだけ確かなのは、「新鮮なほど、美味しい」ということ。
単純ではありますが、確かな事実です☆