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カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
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映画『インセプション』vs.『ソルト』

プーチン首相、スパイ交換の10人に「明るい人生」約束。
なんてニュースを巷で目にする中、久しぶりに劇場で映画を観てきました。
封切されたばかりの『インセプション』と『ソルト』。

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まず観たのは『インセプション』。
コブ(ディカプリオ)は他人が眠っている時に、夢を通して潜在意識に潜入、
アイデアを盗みだすスペシャリスト。
サイトー(渡辺謙)の依頼で、チームを率いて命がけのミッションに臨むが…。


『メメント(Memento)』と、『ダークナイト (The Dark Knight) 』の監督、
クリストファー・ノーランの作品なので、期待度は大♪

随所でおお~っと、思わせてはくれたけれども、
全体からみると、圧倒的にダークナイトに軍配☆
ストーリーが“難解”と言われているけれども、
難解なのではなくて、つじつまが合わなさすぎなだけでは?と感じた次第。
いや、夢の中…ということで、深く追求してはいけないのかもしれません。

映画『インセプション』vs.『ソルト』_c0185058_8185818.jpg

続いて観たのは『ソルト』。
イブリン・ソルト(アンジェリナ・ジョリー)は、CIAエージェント。
しかし、ロシア大統領暗殺を計画するロシアのスパイと疑われ、逃亡。
「はたして彼女の正体は?そして、その真の目的は?」


上記カギカッコ内は、ソニーのHP紹介文。
でも、某映画紹介サイトでは
「自らの潔白を証明しようと、裏切り者を捜す姿を描いたスパイ・アクション作。」
と書かれている。
読んだだけで簡単にオチが推察できる紹介文を、こんなに堂々と
映画関係の公的メディアが書かないで欲しかったかも…。

まぁ、この映画の主題であり、観客が求めるのは、あくまでも
“アンジェリーナの演じる、タフな女スパイが大活躍♪”
という一点にあるので、笑って流せばいいのでしょうが。

おりしも米ロ間で、スパイ交換なんてニュースが流れたけれど、
制作関係者は喜んだのでは?

期待してなかっただけに、逆に、期待し過ぎた『インセプション』よりは
『ソルト』の方が、映画を観終わっての満足感は高かったのでした。

映画を観て、爽快気分になりたかったら『ソルト』。
あ~だ、こ~だ、いちゃもんつけて、一緒に映画観た人との会話を楽しみたかったら
『インセプション』を選ぶと良いかも。
(imommyさん、強い女の映画、ここにもあります☆)

映画『インセプション』vs.『ソルト』_c0185058_820041.jpg


『インセプション』を観て、あ~だこ~だ思ったこと。
ここから先は、ネタばれありです。
(映画観ないと、何書いているのか不可解だとは思いますが…。笑)




(続き)

面白かったのは、アクション・シーン。
ロビーの壁、天井を使った3次元での闘いは、迫力があって新鮮。
パリの街を90度に折り曲げて3次元化してしまうのも、発想が楽しい。

深層意識下にもぐりこんで情報交換…。
時間の流れが現実と違う…。
こういった要素は、『オルタードカーボン』で読んだけれど、
いつ頃から流行りのSF要素なんでしょう。
タケシ・コバッチのファンとしては、楽しめた要素でした☆

映画『インセプション』vs.『ソルト』_c0185058_822880.jpg


一方、面白かった点に比べて、あんまり…という点が、多すぎかも☆

車が落下するシーン、エレベーターのシーン。
2度目くらいまでは許容範囲だったけど、それ以後は
「何度、繰り返したら気が済むんだよ~~~!」と、少々うんざり。
これらの場面をカットするだけで、上映時間148分をあと何分短縮できたんだろう?

2層目の夢は、ホテルに設定されてるけど、理由は?
設計したアリアドネの趣味?
まぁ、格闘シーンでの使い方が面白かったけど、でもやっぱり疑問。
そう言い始めたら、1層目も、3層目も同じだけど…。
納得できたのは、せいぜい4層目の設定だけ☆
それに、何故、水面着に合わせて、エレベーターを爆破する必要が?
あれれ?夢の中で死んだらコブやサイトーみたいに
迷子になるんじゃなかったの~~~?

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3層目の夢は、フィッシャーの夢のはず。
彼の夢の中で、何故、彼までヘンチミンに狙われなければならないんだろう?
おまけに、わざわざ3層下まで降りたのに、舞台は雪中?
パリを折り曲げてみせてくれたアリアドネが、こんな平凡な設計?
昔の007映画に逆戻りですか?
雪崩起こして、アクション撮影したかったのかもしれないけど、イマイチねぇ。
敵のヘンチミンがうろうろしているのは、奥さんの布陣かとも思ったけど、
別に彼女がボスというわけでもなかったし…。

アクション・シーンのハラハラ&ドキドキ感は、
主人公でも脇役でも、思い入れがある人物に、
“怪我したり死んだりしてほしくない”という観客の心理ゆえ。
なので、いくら、サイトーが手榴弾投げようが、
イームスが雪の中を必死に駆けずりまわろうが、イマイチ空虚な感じ。
観客が感情移入するはずの立場の主人公は、勝手に一人でメロドラマしてるし…。

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原作があるのなら読んでみたかったけれど、
オリジナル脚本なので、無理。
金庫開けるのに、2時間28分は長過ぎかも…☆
by sfwinediary | 2010-07-28 08:44 | 映画