魅惑のマディラ酒
2011年 08月 05日
とてもポピュラーなワインでした。
理由はその不滅性。
飛行機の無かった昔、熱~い貨物船のコンテナに長時間積まれていても、
品質を損ねるどころか、風味はますます円熟し、
世界を2周もしたマディラ酒には、かえって高値がついたほどでした。
200年たった今も、マディラ酒の素晴らしさは少しも損なわれていません。
ポルトガルの小さな島、マディラ島で出来る葡萄は、酸味が豊富。
この島で育つと、バナナでさえも酸っぱいとか。
マディラ酒の甘味も、この酸味を兼ね備えていればこそ、引き立ちます。
糖分と酸味に富んでいるこの酒は、時を経れば経るほどに円熟し、
複雑な風味となります。
昨年ブレイクはマディラ島を訪問した際に、1801年のマディラ酒を試飲したのですが、
200年以上を経て、いま尚、素晴らしかったとの事。
さて、先日サンフランシスコにある料理本の専門書店Omnivore Booksで、
ソノマのRare Wine Co.による、マディラ酒の無料試飲会が開かれたので、
マディラ酒大好き人間の私は、ちょっと立ち寄ってきました。
Rare Wine Co.のバーク氏は、人々にマディラ酒に親しんでもらおうと、
日頃から、アメリカ各地でこのような無料試飲会を開催しています。
書店で開かれたマディラ酒の無料試飲会で饗されたのは、
ドライなCharleston Sercial 、セミドライなBoston Bual、甘口のNew York Malmsey、
そして1968年DÓliveiraの4種類。
どれもそれぞれの魅力に富んでいるので、飲み比べて自分の好みを知るのも楽しいもの。
Rare Wine Coでは、マディラ酒の他にも、フランス、スペイン、イタリアなど、
その名の通り、各国のレアなワインを豊富に取り揃えています。
大枚をはたいて買うワインは、信頼できるお店で買いたいもの。
店頭販売はしていないので、ソノマの倉庫を訪れるか、オンライン購入となりますが、
品質の管理、そして値段の点でも、信頼できる会社です。
皆さんは、パートナーの誕生日にワインを送られていますか?
我が家の場合、常日頃からワイン漬けになっている夫に、
ワインを送るのもなんだかなぁ…と思ったのですが、
彼が200年前のマディラを飲んで美味しかったと言うのを聞き、
じゃぁ、古~いマディラ酒をプレゼントにしよう♪と思いました。
流石に200年前のマディラ酒はアメリカでは手に入りにくいので、
1900年のD'Oliveira Verdelho Madeiraを信頼できるRare Wine Coでオンライン購入。
現在このボトルは、セラーの中で、秋に開栓されるのをじっと待っています。
110年の時を経た1900 D'Oliveira Verdelho Madeira のお味は、10月に報告します。
(何故このボトルを選んだかと言いますと、先日マディラ島を訪れた際に、
ブレイクが試飲して美味しかったそうで、ノートに花丸が付いていたからでした☆)
ちなみに、マディラ酒は飲む前に空気に触れさせた方が、より美味しくなります。
試飲会で使われた1968年物は、2年前に瓶詰めされたものですが、
開栓後に一旦デキャンタに入れ、それをまた瓶に戻したそうです。
(家庭で飲む場合は、少量ずつとなるので一遍にデキャンタするかは悩む所ですが、
大勢で飲むのでしたら、デキャンタでワインを揺り起してあげましょう。)
マディラ酒は、開栓後も長く保存できるのが、嬉しい特徴。
普通のワインとは違い、栓を開けた後でも、2年~5年は確実に保存できます。
(暗く、涼しい所に保管。冷蔵庫の振動は避けた方が無難です。)
食前酒としてドライなタイプ、食後酒には甘口タイプか、円熟タイプがお勧めです☆