カリフォルニア・ワインのブログ。 夫は米国人ワインライター。その影響でカリフォルニア・ワインに囲まれた生活をしています。SFから、ユニークなワイン情報をお届けします♪  ゴマ(石川真美)


by sfwinediary
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

<   2010年 06月 ( 5 )   > この月の画像一覧

カリフォルニアのピノ・ノアールというと、
ビッグでボールドな風味を好むアメリカ市場を反映して、
残念ながら、シラーの兄弟みたいなワインが並びがち…。
でも、優雅なピノ・ノアールだって存在します。

これぞピノ!と舌鼓を打ちたくなるようなワインを堪能したかったら、
飲んでみてほしいのが、Cobb Wines(コブ・ワイン)。
フラワーズ・ヴィンヤード&ワイナリーで実力はご存知の通り、
ワインメーカーRoss Cob (ロス・コブ)氏のブランドです。

c0185058_745312.jpg


ロス氏がワイン造りに手を染めたのは、なんと、サウジアラビア王国。
彼の父親、デビッド・コブ氏は1977年から80年まで、
海洋生物学者としてサウジアラビアに滞在していました。
かの国では、アルコールは禁止されていますが、
コブ家ではオーストリアの葡萄ジュースを購入し、
自宅でホームワインを造っていたそうです。(時効ね☆)

その後、アメリカに戻ったデビッド氏は、1988年、ソノマの海岸近くに
14エーカーの未開拓の土地を買い、ピノ・ノアールを栽培し始めます。
涼しい太平洋岸沿いの地域は、ピノ葡萄に相応しいと考えたのです。

当時、そんな西の端で葡萄を栽培していたのは、Summa Vineyardのみ。
(ウィリアムズ・セリエムにピノ葡萄を供給していたヴィンヤードです☆)
コブ家の畑でも、収穫が可能になると、セリエムに葡萄を販売し始めます。

c0185058_7482523.jpg


自然とロス氏は、ワイン醸造の世界へと歩を進めます。
UC Santa Cruzを卒業後、フェラーリ・カラーノ・ヴィンヤーズ&ワイナリーで
ヴィンヤード・チームの一員となった彼は、
90年代半ばには、ボニー・デューン・ヴィンヤードで、
ラボ・マネージャーを担当します。

この頃から、彼の道はピノまっしぐら。

その後、ウィリアムズ・セリエムを経て、2004年に
フラワーズ・ヴィンヤード&ワイナリーでワインメーカーとなります。

同時に、自家葡萄畑の葡萄を使ってCobb Wines Pinot Noirを造り始め
2008年に、ついに独立を果たします。

ちょうど経済が落ち込んだ時期でもあり、
1本$68という値段は、かなりの挑戦でした。
しかし、彼の造り出す、シルキーでスムースな口当たり、
果実風味にあふれて、控えめなアルコール度のピノ・ノアールは、
レストラン業界をはじめとして、根強い支持者に事欠きませんでした。

c0185058_747143.jpg
ピノの話になると、目がキラキラ輝く☆ ロス・コブ氏

彼のピノ・ワインが、エレガントなピノらしいピノなのは、
収穫時期に秘密があるようです。

コブ・ワインが契約している葡萄園の一つに、Joy Road Vineyard があります。
葡萄園の持ち主は、Sonoma-Cutrer で30年ほどの経験をもつ
ワインメーカー、テリー・アダムス氏。
ロス氏は、テリー氏が収穫する3-4週間ほど前に、収穫を行うとの事。
フラワーズ時代も、常に周りよりも3-4週間ほど早めに収穫を行っていたそうです。

そんなに早いと、未成熟な味になりそうですが、
収穫時に厳密に、未成熟な房と、成熟しすぎの房を取り除くことにより、
エレガントな複雑さを醸し出せるそうです。
(値段が高くなるのも頷けます。)

c0185058_7495082.jpg


先日(すみません、これもかなり昔の話なのですが)夕食に同席して、
2007年のシングル・ヴィンヤードのピノを6種類、味見させていただきました。

全て、各々のテロワールを反映しているのでしょう、とても違ったスタイルながら、
シルキーで心地よい口当たりと、ラズベリーの風味は共通です。

トータルで1,350ケースしか造っていないので、販売店で見かける事はないのですが、
こちらのレストランでコブ・ワインを見かけたら、どうぞ試してみてください♪

More
[PR]
by sfwinediary | 2010-06-29 07:43 | ワインメーカーのお話
ジンファンデルを造らせたら、右に出る者はいないスコット・ハーベイ氏。
彼の造り出すワインには、アマドール群の葡萄に寄せる情熱が、
そのまま詰められたようです。

c0185058_71672.jpg
受賞ワインのバベーラを手にするScott Harvey氏

氏に言わせると、いまから100年後にアマドールを代表するのは
ジンファンデルではなく、バベーラ葡萄だろうとの事。

Scott Harvey Mountain Selection Amador County Barbera 2007 は、
ブラックチェリーの風味、酸味に富んだ、シンプルながら楽しめるワイン。
J&S Reserve Amador County Barbera 2007 は、
もう少し複雑な風味で、大地の香りがします。

氏の造るジンファンデルは何種類もありますが、面白さで選ぶならば
Vineyard 1869 Amador County Old Vine Zinfandel 2007
テリーズ・ヴィンヤードの葡萄を使ったジンファンデルは、
彼の他にも、何人かのワインメーカーが造っていますが、
テリーさんとの付き合いが長いだけに、やはりハーベイ氏のワインが傑作です。

c0185058_717052.jpg

さて、ナパを代表する葡萄品種といえば、カベルネ・ソーヴィニョンと、
シャルドネですが、あまりファンではないと仰るハーベイ氏。

でも、Folie a Deux時代に、リチャード・ピーターソン氏から
カベルネの楽しみ方を伝授されたそうで、そこから生まれたのが
Jana Cathedral Napa Valley Red Table Wine 2005
Cabernet Sauvignon 92%に、Petit Verdot 、Cabernet Francが
4%ずつブレンドされています。

驚きなのは、アルコール度13.5%の表示。
機械で低減…というのが巷の流行りのようですが、
ハーベイ氏の低アルコール度の秘密は、ずばり、“早めの収穫時期”。

「畑が語りかけてくるんだ。
葡萄が“これがナパの味ですよ”と言う時、
ピラジン(pyrazine)が少しだけ残っている。
この段階で収穫すると、大抵このぐらいのアルコール度になるよ」
と、ハーベイ氏談。

風味はリッチなチェリーと、ソフトでバランスのとれたタンニン。
名前にCathedral (大聖堂) と付いているのは、ジャナ奥様と婚約した
アリゾナ州SedonaのCathedral Rockに因んでいるそうです。
ロマンチック♪

c0185058_7174753.jpg

さて、若き頃ドイツで修業を積んだハーベイ氏は、
リースリング造りにも勤しんでおります。
彼のリースリングを試してみたければ、お勧めは
Jana Napa Valley Old Vine Riesling 2008
from the Lazy K & E Ranch in Oakville (写真左)


この葡萄には、面白い裏話があります。
1950年代にKen McGill氏がナパの畑を購入した時に、ルイス・P・マティーニ氏が、
リースリングを植えてほしいと言ってきたそうです。

この畑の周辺では、もっぱらカベルネ葡萄が栽培されていて、
トン当たりの収穫は$4000~5000が見込めます。
一方で、リースリング葡萄は、カベルネ葡萄ほど人気モノではないので
ナパの葡萄といえども、トン当たりの値段は半分以下の$1800ほど。

それでもマックギル氏がリースリングを育て続けるのはなぜでしょうか?

現在85歳なので、今からカベルネを植えたら、
天に召される前に畑から出来たワインを味わえない恐れがあるから
…だそうです。
ナパでリースリング葡萄が栽培され続けているのには、
こんな裏事情があったんですね☆
(めったに無い、ナパのリースリング、お試しあれ♪)

c0185058_7182453.jpg

個人的に大好きで、あっという間にグラスが空になったのは、
Angel Ice Mendocino County Riesling 2006
アプリコットとブラウンシュガーの風味。
少々リースリング特有の、ガソリンの匂いがあります。

彼手作りのドイツ料理leberknodelと良く合うと言われたのですが、
ブレイクは料理の方は、イマイチだったみたい。
「スコットがシェフではなくて、ワインメーカーでよかった」
と、レビューに記しております。

ブレイクのスコット・ハーベイ氏のレビューは、こちらからどうぞ♪

c0185058_7185455.jpg
何気にセラーの入り口に置かれていたのは、ジンファンデルの老樹。
味わいある風情ですね☆

[PR]
by sfwinediary | 2010-06-23 07:15 | ワインメーカーのお話
サンフランシスコの東130マイルに位置する、アマドール郡
内陸部特有の、長くて暑い夏を持つこの土地は、
アメリカで最も樹齢を経た、ジンファンデル葡萄の産地です。

気候が良すぎると、どうしても葡萄が熟成し過ぎになってしまうのですが、
この地で生まれた果実を巧みに操り、
バランスのとれた素晴らしい赤ワインに仕上げるのは、
ワインメーカーのスコット・ハーベイ氏。

c0185058_815719.jpg


その秘密はどうやら、若き頃に交換留学生として学び、
後にアメリカでヘッド・ワインメーカーとして活躍するまで、
ワイン造りに勤しんだ、ドイツでの経験にありそうです。

スコット・ハーベイ・ブランドのジンファンデルを飲んで気付くのは、
酸味とフルーツのバランスの良さと、抑えられたアルコール度。
ジンファンデルと並んで、リースリング造りにも勤しむ彼の姿を見ると、
頷けます。

長年アマドールでワインを造り続け、土地を知り尽くした彼がこの地に寄せる情熱は、
その後、本拠地をナパのセントヘレナに移した後も変わりません。

1869年以前に植えられたという、前妻のテリーさんが所有する、
CA州最古のジンファンデル畑から採れた葡萄をはじめ、
アマドールで生まれた葡萄を巧みに操って、
テロワールを体現した美酒を造り続けています。

c0185058_8175442.jpg


先日、ハーベイご夫妻に招かれて、セントヘレナの葡萄畑に囲まれたお宅で、
お昼をご馳走になりました。

知的なハーベイ氏と、可愛らしいジャネ奥様は、とても素敵なカップル。
「初めてスコットに会った時、彼の冷凍庫にはガラガラ蛇が入っていたのよ」
という、奥様の話を聞いてびっくり仰天。

アマドール群の葡萄畑にはガラガラ蛇が出没するそうで、うまく捕獲できた時は、
エスカルゴのように、大量のバターと大蒜で料理するそうです。
(ブレイクが東京で食べたマムシ・バーガーの話も出て、
しばらく蛇料理の話題に花が咲きました☆)

c0185058_8182124.jpg
ZAP2010会場にて☆

この日、氏が料理してくださったのは、Leberknodelというドイツ料理☆
付け合わせの、これも手作り、ザワークラフトが絶品でした♪
c0185058_817152.jpg


ハーベイ氏がアメリカで活躍し始めたのは、1980年代のSantino Winery。
当時、彼のジンファンデルは、シェ・パニーズのハウスワインでもありました。
しかし、その後Santino Wineryがレンウッドに吸収され、
90年代半ばに、意見の相違からワイナリーを離れます。

ミシガン州でリースリングを造らないかと声を掛けられますが、
彼が選んだのはナパのFolie a Deux (フォリ・ア・ドゥ)。

リチャード・ピーターソン氏のパートナーとして、
アマドール群のジンファンデルを取り入れ、
数々の賞をもたらしてワイナリーの名を高めます。

8年後にフォリ・ア・ドゥがTrinchero Wineryに売却されると、
ハーベイ氏は独自のブランド、Scott Harvey Wines を立ち上げます。
Scott Harvey Wines
c0185058_8242656.jpg


真摯で気さくな人柄は皆から慕われ、私達が訪問した日も、
某ワインメーカー氏が、ワイン造りの相談に来ていました。

ワインを造り続けて32年。
様々な舞台で活躍中のスコット・ハーベイ氏。
彼のワインのバックボーンには、常にアマドール群の葡萄が存在しています。

c0185058_8245688.jpg

[PR]
by sfwinediary | 2010-06-21 08:12 | ワインメーカーのお話
先日(すみません最近ブログをさぼっていたので、かなり先日の話ですが…)、
スペイン&ポルトガルの旅から戻ったブレイク。
帰りに、アイスランドの噴火の影響で、ポルトガルの空港が閉鎖されて足止めを食らい、
飛行機会社の変更と、機体のトラブルで、ヨレヨレになり
漸く帰宅したのは、真夜中の3時過ぎ…
というハードな空の旅だったようです。

でも、マディラの視察旅行自体はとっても面白かったようなので、
行った甲斐があったというものです。

持ち帰ったお土産は、ポルトガル、マディラ地方のワイン☆
Blandy’s 15 Year Old Malmsey Rich Madeira
Madeira from Portugal


c0185058_827219.jpg


ポートほど甘くはないものの、リッチで複雑な味のワイン。
驚くほど酸味に富み、糖度とアルコール度が高いので、
開栓してから2年ぐらいは余裕で楽しめます。
恐らくそれ以上、場合によっては5年とか、風味が楽しめると思います

c0185058_8274136.jpg


ブレイクが訪れたワイナリーでは、
今回、一番古いのものでは1834年物を試飲したそうです。
176年前のワイン!!!
保存がきくし、栓を開けてもかなりの時間、品質が変わらないので
70年~80年代のボトルを、様々に試飲できて、かなりご満悦の様子。

酸味があり、甘口なので、食後のデザートワインとして最高。
マディラだけでも楽しめるのはもちろんの事、
いやいや、デザートも食べたい!という方も、
デザートもマディラも、両者とも堪能できるワインとして、お勧めです。

c0185058_828587.jpg

ポルトガルに行く機会はないけれど、フロリダのタンパになら行くかも…
という方は、是非、ステーキハウスのバーンズに足を運んでみてください。

c0185058_8283463.jpg

2階のバー&デザートルームでは、100年近い昔のマディラ酒が楽しめます。
バーのメニューは43ページの厚さ!
事前に予習していくのも悪くないかも。
アメリカでも有数のワイン・メニューであります。

c0185058_8284799.jpg

フロリダの白いビーチ♪
[PR]
by sfwinediary | 2010-06-16 08:13 | Red WIne
シャルドネを造らせたら、右に出るワインメーカーはいないと
数々の評論家に認められている、デヴィッド・レイミー(David Ramey)氏。
自身のラベル“Ramey”をプロデュースするほか、
数々のワイナリーで、ワイン醸造のコンサルタントとして活躍しています。

先日、ロドニー・ストロングのシャルドネを飲む機会がありました。
レイミー氏がコンサルタントするシャルドネです。
Rameyの名を冠するシャルドネだと、$50以上は下らないのですが、
このRodney Strongだったら、$30前後で買えるので、お得。

2007 Rodney Strong Reserve Chardonnay
Russian River Valley, Sonoma County

c0185058_7461781.jpg


実はこの時、夕食のチキンに合わせるために、
シャルドネを飲もうとしていたブレイク。
2本ほど開けたのですが、シンプルすぎたり、派手に飾られ過ぎていたりで、
どうもしっくりこない…。
3番目に開けたRodney Strongで、ようやく満足した次第。

c0185058_7463434.jpg


奥が深く、何層にも重なった味が楽しめます。
美味しいシャルドネが飲みたい。
$50は考えちゃうけれど、$30だったら出しても良いかなぁ…
なんて思われる方、ちょっと試してみては如何でしょうか☆
[PR]
by sfwinediary | 2010-06-03 07:43 | White Wine